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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/4「よみがえった町 」

福岡県赤池町。
400年の伝統を誇る上野(あがの)焼のふるさとで、戦前から炭坑の町として栄えましたが、石炭産業の終焉とともに町の税収も減っていき、財政が逼迫していきました。
そして1992年に31億円の赤字を抱え、当時全国でも唯一の企業の倒産にあたる財政再建団体の指定を受けてしまったのです。

「出直します。町
民の皆様のご理解とご協力を」!頭を抱えた町役場は広報誌で訴え、水道料金や町の施設の使用料を2割値上げ。役場職員の給料は、時間外手当をカット、特別手当が廃止されました。

いままで業者に頼んでいた道路工事なども、役場職員が作業。
住民から「道路の陥没がある」と連絡があると、職員が土砂を持ち込み、流し込んで補修するという有様です。
ところが、職員たちが汗をかきながら働く姿が、次第に町の人たちの意識を変えていきました。
「自分たちも町のためにできることをやろう!」
倒産した町ではお年寄りたちの介護施設を建てることができません。
「それならば」と、ボランティアによる配食サービスが登場。町の有志がガソリン代まで負担して、自分のクルマで食事を配達したのです。

このように行政と町民の多くが力を合わせて節約を重ねていった末、9年目の2001年、財政再建計画より2年早く31億円の赤字を解消。
倒産状態を脱して、健全な町の暮らしがよみがえりました。

でも、そんな赤池町の名は、今はもうありません。
平成の大合併で福智町という新しい町名に変わったのです。
でも、町の危機を住民みんなで乗り越えたという誇らしい思いは、新しい町の暮らしの中でも「自分たちで出来ることはみんなで力を合わせて」という旧赤池町の誇りと伝統として息づいています。