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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/11「スペシャルお子様ランチ」

週末のファミリーレストラン。
テーブルの上でメニューを眺めている親子4人の家族がいます。
レストランではよく見かける光景ですが、実はこの家族は、ある事情を抱えていました。

娘は生まれつき重度のアレルギー。
食べられるものが限られているため、家族揃って外食をしたことがありません。
そのためアレルギー体質ではない息子もファミリーレストランに行ったことがなく、そのことをクラスのみんなにからかわれたのです。
「一度ぐらい連れて行ってあげよう」・・・。
そう考えた両親と2人の子供にとって、この日は特別な一日でした。

店員が注文を聞きに来ると、父親はアレルギーのない息子のためにお子様ランチを注文しました。
「お子様ランチはおひとつでよろしいですか?」店員が注文を確認しました。
すると、母親は申し訳なさそうにタッパーを取り出し「実は娘のほうはアレルギーで、この子にはアレルギー反応の出ない食べ物を持ってきているのですが、ここでいっしょに食べさせてもいいでしょうか?」と尋ねました。
当然ながら、レストランに食べ物を持ち込むことはできません。
店員は少し困惑した様子で、「そうですか。それ、ちょっと預からせてください」と言い、そのまま厨房へ持っていってしまいました。
中身を検査しているのか、お客が帰るときに返すという規則なのか、両親は不安と落胆が入り混じった気持ちになりました。
やがて注文したメニューがテーブルに運ばれました。
息子は旗の付いたお子様ランチに大喜び。
そしてすぐに、もうひとつのお皿を持った店長が来ました。
それは、母親が持参したタッパーの中身をきれいに並べかえて、おそろいの旗を立てた娘のためのランチでした。
両親が深々と頭を下げると、店長はにっこり笑って答えました。

「お嬢様のスペシャルランチです。ごゆっくりお召し上がりください」。