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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/12「出水のツルクラブ」

今年もまた鹿児島県出水市に、ツルがやって来ます。
シベリアからおよそ2000キロの距離を命がけで飛んでくるツルたちの第一陣が出水にやって来るのは、毎年10月中旬ごろ。
12月のピーク時には1万2000羽にもなり、翌年の2月・3月には再び北の繁殖地へと帰っていきます。

1960年、地元の出水市立荘(しょう)中学校に「ツルクラブ」が結成され、以来48年間にわたり、生徒たちが出水のツルの調査を続けています。
当初、ツルクラブは学校のクラブ活動のひとつでした。
しかし少子化で生徒数が減っていき、現在では全校生徒が参加しています。

まだ薄暗い午前5時20分に集合。
上級生が下級生の指導をしながら、いくつかの計測地点に分かれて調査を行います。
スコープをのぞく生徒たちの顔は真剣そのもの。
ツルたちは「ねぐら」を飛び立ったり、舞い戻ったり、「ねぐら」から動かないものとそれぞれに好きな動きをしますが、生徒たちは寒さでかじかむ手で計数器を握りしめ、一羽も間違えずに根気よくカウントします。
また、ツルの家族構成や分布状況も調べ、その調査結果は公式記録として公表され、貴重なデータとしてツルの保護活動に活用されています。

この調査には、中学の全職員とPTA全員が交代で参加。
通行する車がツルを驚かせないように注意を呼びかけたりして、生徒たちの活動を応援します。
中には3世代にわたって調査に参加している家庭もあり、地域の人々のあたたかい協力によって伝統あるツルクラブの活動が支えられているのです。

年に1回発行される活動報告書には、生徒のコメントが寄せられています。
「僕が大人になったとき、今よりもっとたくさんのツルが出水に来てくれたらと思います」
この生徒の素朴な願いは、ツルと共に生きる地域住民皆の思いでもあるのです。