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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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9/28「小原さんの日時計」

太陽の位置で時刻を知ることができる日時計。
小原(おはら)銀之助さんは、1983年に亡くなるまでの29年間におよそ400基の日時計を作り、「日時計の王様」と呼ばれました。

若い頃、出版社で美術全集の編集をしていた小原さんは、外国の庭園美術の一つとして紹介されている日時計にいつしか魅せられ、天文学や数学の本を読みあさって研究に没頭していきました。
正確な日時計を作るためには、設置する場所の緯度・経度の測定から太陽の動き方まで、複雑な計算が欠かせません。
試行錯誤した末にやがて彼が完成させたのは、日時計の台座に日本標準時との時差を示す5分刻みの目盛り盤を取り付けたもの。
同じ日本でも太陽が真上に来る時間は場所によって違うので、日時計が示す正午の時間も場所によってずれます。
ところが、この日時計には、その場所の太陽が示す時間だけではなく、全国標準時も知ることができるのです。
1973年、この日時計がドイツのハンブルグに設置される と、その正確さが評判となり、世界で一番正確な日時計作家としてギネスブックにも載りました。

この小原式日時計にはもうひとつの特徴があります。
それは、日時計の先に、小さな地球儀を取り付けたこと。
その地球儀にはその時の地球と同じように太陽の光が当たるようになっています。
子どもたちに天文の話をするのが大好きだった小原さんのアイデアです。

地球儀付きの日時計を見ることによって、自分の今も世界の今も目で見て興味を持つきっかけになる小原さんの日時計。
子どもたちに、自分だけでなく地球全体をひとつの家や家族と感じてほしいという願いがあったのかもしれません。