5/11「星野村の山村留学」
茶畑に囲まれた、人口およそ3,500人の福岡県星野村に、今年も12人の山村留学生がやってきました。
留学生を受け入れるのは星野小学校。
平成2年から山村留学制度を実施し、村の子供たちは毎年、全国から留学生がくるのを楽しみにしています。
留学生は、「星の自然の家」という寮で1年間、指導員や寮母さんたちと暮らします。
都会からきた留学生は、初めショッピングセンターやゲームセンターのない村の暮らしにとまどいますが、
自然に囲まれて、サワガニやカエルの卵を掴まえたり、茶摘みを経験したりするうちに、少しずつ溶け込んでいきます。
学校給食や寮母さんが作る食事も、畑から直送した旬の野菜を使った「がめ煮」や、いのししの肉の入った「しし汁」など、星野村ならではのメニュー。
おいしい山の恵みに、おかわりの声が飛び交います。
4月には、恒例の山登りが行われましたが、留学生たちが驚いたのは、生徒だけではなく、村の住民たちが参加したこと。
山桜の美しい景色を眺めながら一緒に登山を楽しみ、村全体が自分たちを受け入れてくれていることを実感したそうです。
「星の自然の家」の指導員・石川信男(いしかわのぶお)さんは、「留学を経験すると、ご両親から家の手伝いをするようになったとか、おじいちゃんに優しく話し掛けるようになったという声が届くので、うれしいですね」とおっしゃいます。
山村留学は、自然の恩恵や先人の知恵を学び、暮らしに根付いた風土を全身で体験する一年。
留学生たちは、そこに息づく人と人とのつながりを、素朴な暮らしの中から見出だし、誰かを思いやるという大切な気持ちまでをも学んでいるのです。
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