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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/4「ラムネの日」

きょう5月4日は、「ラムネの日」です。
ラムネとは、明治5年5月4日に東京の千葉勝五郎(ちばかつごろう)という人が製造販売を始めたといわれる炭酸飲料レモネードのこと。
「レモネード」がなまって「ラムネ」と呼ばれるようになったようです。
とはいえ、皆さんが「ラムネ」と聞いて思い浮かぶのは、中にビー玉が入った、あの独特の瓶でしょう。

このラムネの瓶が発明されたのはイギリスで、日本には明治20年代から入ってきました。
その後、王冠やねじって外すキャップなどが発明され、飲み物の容器はそのほうが圧倒的な主流となり、
ラムネの瓶は世界中から消えていきましたが、唯一日本だけは、いまもなんとか生き残っています。
青みがかった透明の瓶の中にビー玉がある不思議さ。
専用の栓抜き機でビー玉を落とし込む時の、シュポンという心地よい音。
その瞬間に勢いよく白い泡が吹きこぼれる楽しさ。
一口飲んで瓶を振るたびにカランコロンと風鈴のような涼しげな音。
日本の風土や季節感に溶け込んだラムネには、喉を潤すだけではなく、日本人の心を潤す何かがあるのです。

現在、ラムネを扱っているのは、全国数十社のローカルメーカー。
ところが、ラムネの瓶が作られている工場は、日本にひとつしか残っていません。
その工場機械も老朽化し、近い将来、ラムネの瓶が製造されなくなる日がくるようです。
それでも、「日本人に愛されてきたラムネを絶やすわけにはいかない」と、
ラムネ・メーカーは、一生懸命空き瓶を回収しては再使用に努めています。

季節は初夏。懐かしい思い出やふるさとの郷愁がいっぱい詰まったラムネは、これからが旬です。