5/18「アルジェリアに届いた絵」
アフリカ北西部・アルジェリアの地中海沿岸部が、マグニチュード6.8の大地震に見舞われたのは、5年前の2003年5月21日。
この地震による死者は2,200人を超え、負傷者は1万人以上といわれています。
日本からも国際緊急救助隊や医療チームが派遣されましたが、このとき「自分たちにも何かできることはないだろうか」と、神戸市長田区の小学生が立ち上がりました。
彼らはちょうど1995年、阪神淡路大震災の年に生まれた子供たちです。
震災のとき、アルジェリアから避難用の大型テントが送られてきたこともあり、子供たちは恩返しの気持ちを込めて、「励ましの絵」を贈ることにしました。
この話を聞いた当時のアルジェリア大使館の大使夫妻は、ぜひ子供たちに会いたいと申し出て、救援物資を送りだす港で「励ましの絵」を受け取ります。
日本から海を越えて届いた絵に、アルジェリアの子供たちはどんなに励まされたことでしょう。
そして一年後。今度は長田区の子供たちに数冊の絵本が届きました。
アルジェリアの子供たちが、日本から送られてきた絵を切り抜いて、自分たちで創作絵本に仕上げたのです。
送られてきた絵本には「日本の子供たちからの連帯の記念の証しに…」というメッセージが添えられていました。
被害のひどかったアルジェリアの小学校7校も、2006年11月にようやく新校舎が完成。
記念行事では、復興をまるで自分たちのことのように喜ぶ長田区の子供たちのビデオメッセージが流れました。
震災を通じてお互いの国を知り、お互いを思いやる子供たち。
小さな胸に刻まれた思いは、未来の大きな掛け橋になるのかもしれません。
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