TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(12/9 放送分 「人間のための科学」)
(12/23 放送分 「東京タワー生みの親」)→

12/16 放送分 「グラハム・ベルの思い」

きょうは「電話の日」です。1890年12月16日、東京と横浜の間で、初めて電話事業が開始されたことに由来しています。
電話機を発明したことで有名なグラハム・ベルは、日本で電話が開通する13年も前に、アメリカでその特許を取得しました。

ベルは、電話機を発明する前から、ろう学校で耳が聴こえない子供たちの先生をしていました。
当時は手を使って話をする手話の方が一般的でしたが、彼は、それでは普通の子供たちとコミュニケーションを取ることができないと考え、相手の唇の動きから言葉を読み取り、暗号のような記号を使って正しい発音を覚えさせることに力を注ぎます。
その授業は独創的で、風船やおもちゃを使ったり、自分で作った機械を取り入れたりしていたので、子供たちはベルの授業が楽しみでした。

彼は、子供たちのために、聴こえた音をそのまま記録する「音声記録機」や、人が書いた文字をそのまま伝送する「自筆電信機」を考える中で、離れた場所に声を届ける「電話機」を発明したのです。
この発明品をアメリカ独立記念100周年の博覧会に出品するというチャンスにも、「私には授業がありますから」と断り、周囲の人が、彼をだますように馬車に乗せて連れ出したというエピソードも残っています。

また電話の発明によって、たくさんの富と名声を手にした後も、「自分は生涯、耳の聴こえない子供たちの教育に力を注ぐ」と宣言します。
三重苦で知られるヘレン・ケラーも6歳の時にベルのもとを訪ね、「暗闇にいた私を優しく抱きかかえてくれた温もりは生涯忘れない」と語っています。
偉大な発明の陰には、障害をもつ子供たちに希望の光を与えたいというベルの熱い想いが込められていたのです。