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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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6/3 放送分 「車椅子の子供と一緒に山登りした子供たち」

山登りのシーズンを迎えています。
九州では、九重連山が今日山開き。ミヤマキリシマが美しく色づく季節です。

これは、数年前の北海道での話です。
自然を学びの学校にしようという「ネイチャーキッズスクール」の札幌でのこと。およそ40人の小学生の子供たちが、5〜6人で1つの班をつくり、年間を通して、同じ班のメンバーと指導員で行動を共にします。
年10回の自然教室では、晴れても雨でも、森や川、海など、自然の中でしか学べない教室が開かれていました。その教室の後半で、みんなで山登りをする日がやってきました。
ある班には、小学3年生の車椅子の男の子がいました。
車椅子の子供がいると、みんなで、その子を助けたり待ったりしなければなりません。その為、他の班より遅れをとることが多く、はじめは、その子と一緒の班であることを嫌がっている子供もいたようです。
しかし、全員で山に登ることが目的。さて、車椅子の子供も山頂まで、どのようにしたら一緒に登れるか、その班で話し合いが行われました。
車椅子の男の子は、「僕はいいよ」と遠慮して言いました。しばらく沈黙が続いた中、ある女の子がひとつの案を出しました。それは、みんなで、その車椅子の男の子の荷物を少しずつ分けて持って上がること。そして、男の子は指導員におんぶしてもらうのはどうか?という案でした。その案に班の子供全員が賛成。車椅子の男の子を助け合いながら、班全員で山頂まで辿り着き、無事に下山することもできました。

以来、その班は、他の班より結束力が培われ、何でも早くできるようになったそうです。

自ら考えるということが苦手になった子供たちが増える中、自分たちで考え、行動し、それが素晴らしい知恵と友情を生み出した、心温まる話です。