5/6 放送分 「アフガン復興へかける日本人医師」
中村哲(てつ)医師。60歳。福岡市生まれ。
九州大学医学部を卒業し、国内で医師として多くの患者さんを診てきました。1984年からは、パキスタンに渡り、ペシャワールを拠点に多くのアフガニスタン難民の診療を手掛けていらっしゃいます。
アフガンは、戦乱もある中、2000年から今世紀最悪の大干ばつに直面。
農地が荒れ、深刻な食糧難に・・・。そして、多くの病気が発生しました。
中村医師は、「この問題を解決するには、水不足を解消すること!農業用の用水路をつくろう!」と決心されました。
そして、2003年から工事に着工。中村医師をはじめ、日本人スタッフ十数名の指揮の元、米軍による武装勢力への攻撃が続く中、現地の農民を中心におよそ38万人が作業に加わりました。
そして、今年2007年3月。中村医師が拠点とする病院があるペシャワールから、およそ100キロメートルの地点に、4年の歳月をかけ、ようやく用水路が完成。全長13キロ。インダス川の支流であるクナール川から水を引きました。
この用水路の完成で、直接水をひける農業耕地が東京ドームおよそ170個分も誕生しました。これで、およそ2万トンの小麦粉が生産でき、10万人以上の食料確保につながるといいます。
総工費はおよそ9億円。その費用は、アフガンでの中村医師の医療活動をサポートする非政府組織=NGO「ペシャワール会」への寄付ですべてまかなわれました。
「水と緑の回復こそが国の復興の礎」と語る中村哲(てつ)医師。
今度の水曜日5月9日(水曜日)講演会が福岡で開催されます。
福岡市中央区のアクロス福岡で、夕方6時半から。演題は「アフガンに命の水を拓く」。20数年にわたるアフガンへの想い。是非直接聞きたいですね。
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