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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/8放送分 「人生を変えた1冊」

小学4年生のある男の子。
父は江戸友禅の職人。家に帰ると、弟子もたくさんいて、父も母も大忙し。
自分の居場所は、学校の図書室でした。
ある日、男の子は図書司書の先生に聞きました。
「どんな本を読んだらいいですか?」
先生は言いました。
「そうねぇ。伝記を読むといいわねぇ。人の一生は一度だけど、伝記を読めばたくさんの人生を知ることができるわ。失敗したり苦労したりするけど、必ず最後は成功して偉くなる・・・。そうでなくては伝記にはならないもの」

彼が手にとった本は、エジプト考古学者:ハワード・カーターの「ツタンカーメンのひみつ」。その本は彼にとって人生を決めた運命の1冊となりました。その本でエジプトへの憧れを抱き、エジプトに行って大発見をしたいという夢を持ちました。そして「思いは叶う!夢は叶う!」という言葉を信じました。「エジプトに行ける、行けないではなく、行こう!!」

その後、彼こと吉村作治氏は、早稲田大学で5名の学生と1名の先生と共に隊を作り、日本で初めてエジプト全土を踏査し帰国します。そして5年後に再びエジプトを訪れ、やっと発掘権を獲得。
40年間の歳月をかけ、数々の発掘や発見で吉村氏は世界的にも名を知られるようになりました。最近では、3800年前の完全ミイラ、青いミイラマスクを被った「セヌウ」の未盗掘の発掘をしたことでも有名です。

春は出会いの季節です。
吉村氏の夢のきっかけは、1人の先生との出会いであり、1冊の本でした。
様々の人と出会い、そのうちの誰かの影響で人生が大きく変わることがあります。どうぞ、この春、いい出会いがありますように・・・。