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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/7放送分 「成人式発祥の村」

明日、1月8日は成人の日。それまで1月15日に固定されていた成人の日は、2000年から1月の第2月曜日に変わりました。

でも、全国には、実際の成人式を正月の三が日に行う市町村があります。
宮崎県の諸塚村もそのひとつ。山林が95%を占める山深い里で、若者のほとんどが県外の都会に出ているため、彼らが揃って村に集まる正月を選んでいるのです。

ところで、成人の日が制定されたのは昭和23年ですが、諸塚村ではその2年前から独自に成人祭を実施。10日間の合宿で大人のための講座を行ない、最終日に新成人全員に修了証書が手渡されるというものです。
一説では、このことを知った文部省が成人の日制定に動き出したとか。
つまり、諸塚村は、成人式発祥の地なのです。
全国に先駆けて成人式を始めた中心人物は、当時の村長・藤井長治郎さん。
彼は、お酒が一滴も飲めないのに、頼まれれば喜んで宴会に出て、得意の隠し芸を披露したり、いつも風呂敷包みを背中に村中を歩き回る人なつっこさ。そして何よりも、我が身より他人に尽くした人柄が、亡くなったいまもなお多くの村民に語り継がれています。
そんな藤井村長が村を挙げて成人式を始めた理由は、「村の発展は、人づくりだ」という信念です。

10日間の合宿という成人式は、当時の村の予算ではとても賄いきれません。
藤井村長は、招いた講師の滞在費などを私財から捻出し、また寄付集めにも走り回ったそうです。
ふるさとの人づくりに一途に取り組んだ村長。その郷土愛は、県外に住みながらも、成人式には、そのほとんどが村に駆け付ける今の若者たちにも受け継がれているようです。