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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/14放送分 「愛と希望と勇気」

1956年(昭和31年)南極観測船「宗谷」が東京港を出発しました。およそ2ヶ月、2万キロの旅を終えようやく南極海域に到着。そこで越冬隊員として南極に残されたのは、11人の隊員と犬ゾリ犬としての役目を果たすカラフト犬15頭でした。彼らは昭和基地で仕事と生活を共にし、次の越冬隊員たちの到着を待つのです。

翌年、第2次越冬隊を送り込む為、再び「宗谷」は南極へ向かいましたが、厚い氷に行く先を阻まれて断念。11人の第1次越冬隊員はヘリコプターで救助されましたが、15頭のカラフト犬は、救出することができず、やむなく置き去りにされました。隊員たちは、1ヶ月分の食料を犬たちに与え、その1ヶ月の間に、自分たちか次の越冬隊が必ず迎えにくるとの希望を胸にロープで犬たちをつなぎ、万感の思いで基地を去ったといいます。

しかし、1ヶ月の間に迎えに行くことはできず、1年後、第3次越冬隊が南極観測船「宗谷」に乗り、南極の昭和基地の沖合数百メートルに辿り着きました。基地の様子を見に飛び立ったヘリコプターから「宗谷」へ、2頭の犬を発見との連絡。その2頭とは、前の年に置き去りにされたカラフト犬のうちの2頭だったのです。ヘリコプターが着陸すると、駆け寄ってきた犬たち。成長してどの犬かわかりませんでしたが、隊員が次々と犬の名前を呼びかけると、「タロ」の名のところで反応して尻尾をふったそうです。そして、もう1頭はその兄弟犬「ジロ」と判明。2頭は、基地に置いてきた食料や死んだ犬を食べた痕跡はなく、アザラシの糞やペンギンを食べて命をつないでいたと推測されています。

その「タロ」と「ジロ」が発見された1月14日、隊員たちの愛と希望、そしてタロとジロの勇気と希望を讃えて、「愛と希望と勇気の日」とされました。