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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/15放送分 「人と人の社交の場:朝市」

実りの秋。採れたての新鮮な山の幸や海の幸が一堂に集まる場所、朝市。
九州の代表的な朝市といえば・・・佐賀県・呼子の朝市。
休みは元旦だけ。年中無休で、毎朝7時半ごろから、70ほどの店が商店街の軒先を借りて市が始まります。トロ箱に入ったアワビやサザエ、もちろん名物のイカもあります。そのほか干物や季節の野菜、果物、花々。
呼子の朝市では、売り手のほとんどが気さくな地元のお母さんたち。鮮度が命とばかり、夜明け前から起きて畑の採り立てを持ってきているそうです。
また、品物に一応値札はあっても、お客さんとやりとりしながら売り値を決めていくのが流儀。「安くしとくけん、どがんね」・・・・。活気のある声が通りにこだまします。

そして、もうひとつは、長崎県・佐世保の朝市。佐世保駅近くの広い市場に250もの店がひしめきあい、なんと毎日午前3時からスタートします。
市場で働く人たちのためにおでんやうどんなどの屋台もあり、あちこちで温かそうな湯気が上がり、笑い声の輪が広がっていきます。
佐世保の朝市の楽しみは、月に2回開催される「競り」。誰でも気軽に参加でき、決着が付かない場合はじゃんけんで決めたりもします。
プロの真剣な競りとは違って、参加する人たちはみんなニコニコ顔の競りなのです。

朝市の魅力は、新鮮な食材だけではなく、人と人の和やかな雰囲気にあるといってもいいでしょう。売り買いの声だけではありません。「おはよう」「元気にしよったね?」・・・。何気ない朝のあいさつからはじまる朝市は地元の人たちにとって屈託のない人々の社交の場にもなっています。その場にいるだけで元気をもらえ、そんな中で買った食材は、食卓に上ると楽しい会話を弾ませてくれそうです。さあ、早起きをして、朝市に出かけてみませんか。