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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/16放送分 「一人のためのソーラン節」

「ヤーレン、ソーラン?♪」ではじまる「ソーラン節」。北海道で鰊(にしん)漁をするときの作業を歌った民謡です。このオリジナルの民謡をアレンジした「新しいソーラン節」が今、全国の学校やお祭りなどで踊られています。1983年、北海道稚内市の稚内南中学校が、荒れていた学校を、踊りを通して活性化させる為に取り組み、日本民謡民舞大賞でグランプリをとったのがきっかけです。民謡歌手が唄うロック調のソーラン節に、ジャンルにとらわれない力強い踊り。踊る人も見る人も不思議と力が湧いてきます。

ある大阪の中学校での話です。
全校生徒が集まった1学期の終業式。みんなの前で、夏休みに転校する生徒の紹介がありました。その時は、男子学生一人。彼は生まれ育った大阪を離れ、山口に転校することになっていました。
すると、体育館に並んでいた数人の学生たちが一斉に舞台に上がりました。同じ部活動の部員たちです。そして、彼らに続いて学年全員が舞台に上がり始めました。同級生たちは、法被をすばやく身に着け、頭には、はちまき!そして、聞こえてきたのは、「ソーラン節」の音楽!転校する彼ひとりのためにソーラン節を踊ってくれたのです。
全員が一生懸命体を動かして踊る「ソーラン節」。ひとつになった彼への熱い応援の気持ちを感じとり、転校する彼は感動で涙が溢れてきたそうです。
さらに、踊り終わった舞台の上の同級生たちも、達成感と別れの寂しさか、涙を流したそうです。
後で聞くと、ある友人が彼の為に発案し、先生たちにも了解をとって企画していたとのこと。山口に向かう彼は、大きな「思い出のプレゼント」を胸に大阪を離れたそうです。「この時のことは一生忘れない」と言っています。

人を思ったり、何かを願ったりする気持ちを、歌と踊りで精一杯表現する・・。現代の「ソーラン節」には人の心を開く不思議な力があるような気がします。