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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/23放送分 「ペンフレンド」

きょう、7月23日は「ふみづきふみの日」。日本郵政公社は、手紙を書くことを奨励しています。とはいえ、現実に皆さんが"文(ふみ)を書く"といえば、この季節の暑中見舞いと年賀状くらいではないでしょうか。
手書きの郵便の温かみは分かってはいるけど、便利で手軽な携帯電話やメールが生活にすっかり根付いた今、改まって手紙を書く機会は少なくなってきたのでは。こんな時代の中、43年間、日本と韓国の間で文通を続けてきた話があります。

1963年。韓国で日本語を学んでいた青年がペンフレンドを呼びかけたところ、宮崎の女子高校生が手紙を出した―これが始まりです。
会ったことがない、しかも国が違う二人の若者同士の文通・・・。しばらくは他愛のない自己紹介のようなやりとりが続きました。やがて、お互いの夢や悩みを手紙にしたためていくようになり、1、2か月に一度のゆっくりしたペースで心の交流を深めていきました。自分の写真を同封したり、時には四季折々の花の種を添えたり・・・・。二人がそれぞれ結婚する前後では、お互いに遠慮して数カ月以上文通が途絶えたこともあります。
青年期から熟年期を経て、手紙の数は1000通を超えました。
内容も仕事や家庭、子育てのことから孫の話題となり、また手紙に託して世の中や自分を見つめ直すことも増えてきました。

去年、この韓国の男性がふいの交通事故で妻を亡くしたとき、宮崎の女性はこのような手紙を送っています。
「毎日、奥さまを想い出して、お話ししてください。奥さまはいつもあなたの心の中に生きています。愛も想い出も消えることはありません」

一度も会ったことのない二人。でも43年にわたる文通は、お互いを目に見えない心の支えにして、それぞれの人生を励まし合ってきたのです。