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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/30放送分 「おもちゃドクター」

昨日から始まったゴールデンウィーク。実は同じ期間、4月29日から5月5日までは「おもちゃ週間」でもあります。
昭和21年、食べるのさえ事欠く戦後の日本で、女性代議士が全国からの署名を携えて「子供に玩具を与えよ」とい請願書を国会に提出したことに由来して制定されたそうです。
そんな時代に比べると、現代はありとあらゆるおもちゃが世の中に溢れ返っています。子供たちにとって幸せな時代になったと言えますが、いっぽうでは、遊び飽きたり壊れたりすると、すぐに使い捨てられてしまうことも珍しくありません。本来おもちゃとは、子供が初めて出会う友だちのような存在。ほかの品物のように、“消費する”ものとは違うような気もします。そうした思いから、壊れたおもちゃに新しい命を与えることに取り組んでいるのが、おもちゃ病院のドクターたちです。

全国に300人ほどいるおもちゃドクター。その多くは、さまざまな業界で長年培った専門技術を子どもたちのために役立てたいと、ボランティアで活動するシルバー世代です。壊れたおもちゃを大事そうに抱えて病院を訪ねてくる子どもたち。その不安げな眼差しを見ると、ドクターたちの心も、「修理」ではなく、「子どもたちの大切な友達の命を救う」という気持ちになるそうです。
そう、「壊れたおもちゃ」ではなく「患者さん」。たとえば、東京の大きなおもちゃ病院には毎日20人ほどの患者さんが訪れます。ドクターは30人。近ごろ主流の電子回路が組み込まれた患者さんも最新医療機器を使って治療。難病の場合はドクター全員で会議を開き、治療方針を立ててチームで大手術をする…といった感じです。
彼らドクターの一番の喜びは、患者さんを退院させて、再び持ち主である子どもの手に渡したとき。目を輝かせて喜ぶ子どもの姿は、命あるものを慈しむ人間の純粋無垢な心を見ているようだといいます。
そして、そんな子どもたちの姿が、逆にシルバー世代のおもちゃドクターたちにも元気を与えてくれるのです。