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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/12放送分 「満月大作戦」

福岡県内のある住宅地の話です。
ほとんどが5?6年前に建てられた戸建ての、わりと新しい住宅地。
30数戸の町内会は町内会長、会計係、体育係の役員が先頭となり、地区をまとめていました。体育係は、毎年秋に行われる地区別対抗の運動会が主な係。住民の誰がどの競技に出るかを決め、運動会が終わると、地区にある小さな児童公園でバーベキューパーティを企画していました。運動会に参加した人も参加してない人も、準備ができると誘い合い、その地区の「コミュニケーション」は、「ノミュニケーション」から成り立っていたようです。
子供がいる家庭、ひとり暮らしの家庭、老夫婦だけの家庭など地区に住む人人の「顔」も様々。だけど自分たちが住む地域は自分たちで住みよくしていこうという気持ちは共通していたようです。その気持ちのあらわれが住民同士のあいさつ。学校やスポーツクラブに行く子供たちは、「いってきまぁす!」と元気よくあいさつし、それを地域の大人たちは「いってらっしゃい!」
と必ず言葉を返し、あたたかく見守っています。

ところが、ある時期、その地区に空き巣が入るようになりました。
どうやら空き巣は昼間ではなく、夜の留守宅に入っているようでした。
町内の役員を中心に地区の住民で話し合った結果、「泥棒は明るい所を好まない、明かりをつけて地区を明るくし、泥棒を近づけないようにしよう」ということになりました。一晩中門柱の明かりをつけても電気代は月に僅か10円足らずということでみんな賛成。ところで、その地区の家の門はみんな同じデザインです。門柱の明かりもみんな丸い形。明かりをつけると、まるで満月のようでした。名づけて「満月大作戦!」。それでは留守宅がすぐわかってしまうのでは?という心配がありましたが、かえって地区全体に明かりがつくと、留守宅も、周りの家庭が見守っている雰囲気になり、泥棒も以来入らなくなったそうです。
今夜も、その地区は「まぁるい満月」がいくつも輝いて、お互いがお互いを見守っていることでしょう・・・。