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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/26放送分 「宝物は思い出」

あなたの宝物は何ですか?
ある10代後半の男の子はこのように言っていました。
「僕の宝物は思い出です。」
「物は壊れてしまうことがあるけど、思い出は決して消えません。いい思い出も、決して良くない思い出も、すべて自分の中の引き出しにきちんとしまっています。ただ、楽しい思い出はもっと鮮明に覚えておきたいから写真に撮って残すようには心掛けています。そして、思い出はつくるものでもあるような気がします。ひとり暮らしを始めた今、僕の家族はいい思い出をいっぱいプレゼントしてくれたと感謝しています。僕もこれから自分自身、そしてまわりの人たちとできるだけいい思い出をつくっていこうと思います。」

一方、両親がふたりとも同時に癌になった30代の兄妹がいました。余命2?3ヶ月の母と余命1年の父・・。実家から遠く離れて暮らす兄妹。妹は仕事を辞めご主人と一時離れて暮らし、両親の看病に専念。兄は飛行機を使って週末ごとに実家に帰って、妹のサポートをしながら看病をしていました。兄妹は精一杯看病をし、家族とはたくさんの思い出話をしました。最期は、何も話さずに、ただ一緒にいる穏やかな時間が心地よくさえ感じられたそうです。兄妹は父と母を看送った後、悲しみより達成感、充実感さえ感じたそうです。そして、家族との思い出の記念にと、庭に「桜の木」を植えたそうです。小さな苗木でしたが、1年、2年経つと、かわいらしい蕾をつけました。ところが主のいない庭の桜の木・・。誰かが持って行ったのか、ある日、突然なくなっていたそうです・・・。でも二人は大騒ぎすることなく、笑みを浮かべながら「なくなっちゃったね・・。」と言ったそうです。ふたりの心にはしっかり思い出の桜が植えられ育っていっていたからでしょう・・・。

物に溢れ、物に執着する人も多い中、目に見えないものを大切にする人の、ほっとする話でした。