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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/27放送分 「ローザ・パークス」

今から50年前の12月1日。
アメリカ・アラバマ州モンゴメリーで、百貨店の仕事を終え、帰宅するためにバスに乗った、ひとりの女性がいました。ローザ・パークスさん、当時42歳。当時のアメリカ南部は、バスやレストランなど公共の場所で、人種分離制度が実施されていました。バスの中では、白人席と黒人席、中間の席は白人がいない時は黒人も座っていいことになっていました。パークスさんは、黒人席が一杯だったので、中間席に座りました。そのうち、白人が乗ってきはじめ、運転手が中間席に座っている黒人に立つように求めましたが、パークスさんは、疲れているといって拒否しました。そこで、運転手が警察に通報しパークスさんは、逮捕されました。
この事件をきっかけに、キング牧師らが中心となって黒人差別を撤廃する抗議運動を始めました。黒人たちは、バスを利用せず歩いたり、黒人の車に同乗するなどしてバス・ボイコット運動を381日間展開しました。
そして最高裁が、黒人差別は憲法違反だという判断を下し、パークスさんは「アメリカの公民権運動の母」と言われるようになりました。
パークスさんは、その後も黒人差別をなくす運動に力を注ぎ、1966年には、最も偉大なアメリカ市民に贈られる「大統領自由勲章」を受けました。

パークスさんは、先月10月24日、デトロイトの自宅で92歳の生涯を閉じました。彼女の追悼式に出席した人の中には、現在のアメリカの国務長官・黒人のライス長官がいました。そして、このように追悼の言葉を述べたそうです。「私はバス事件の前の年にアラバマ州で生まれました。パークスさんがいなければ、今日、国務長官として、この場に立てなかったかもしれません。」と・・・。

勇気と希望を持ち、人間としての誇りを大事にした、ローザ・パークスさん。
ひとりの人間の勇気が、アメリカという国家までも変えた話です。