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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/30放送分 「千羽鶴」

今週木曜日11/3は文化の日。
日本の伝統的な文化のひとつに、折り紙があります。
折り紙の歴史は詳しくはわかっていませんが、平安時代に公家、鎌倉時代に武家に広まり、庶民に親しまれるようになったのは、江戸時代といわれています。世界で最も古い遊びの折り紙のテキスト・1797年に発行された「千羽鶴折形」のはしがきには、「一羽の鶴に千の寿があるのなら、千の鶴には百万の寿あり・・・」とあります。

千羽鶴が世に広まったきっかけ・・。それは、今からちょうど50年前の 1955年秋、原爆症で12年の人生を閉じた少女、佐々木貞子(ささきさだこ)さんの話が元になっています。貞子さんは、2歳の時、広島市内の自宅で被爆し、小学6年生の時白血病で入院しました。「千羽鶴を折れば、願いが届く」と聞き、病気が治るように祈りながら、薬の包装紙やお見舞いの品の包装紙で貞子さんは鶴を折り始めました。しかし、644枚目を折ったところで亡くなり、残りの356枚は彼女の同級生によって折られ、彼女と一緒に埋葬されました。
以来、千羽鶴は、病気回復や平和のシンボルになり、今や、合格祈願や試合に勝つため、商売繁盛など、様々な想いや願いが込められるようになりました。そのひとつひとつには、それを折った人の数だけ願いがぎっしりつまっています。
千羽の鶴を折るのは、とても時間がかかります。ただひたすらその人のことを想いながら、時間をかけてこつこつと鶴を折り、願いを重ねる・・・。大変な作業ですが、もらった人は言葉以上のものを感じているようです。

時間をかけることを忘れかけている世の中・・・。家族や友人の為に「千羽鶴」・・・、折ってみませんか?きっとあなたの想いも届くはずです。