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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/09放送分 「白い船」

島根県出雲市の小高い丘の上に、木造2階建ての小学校が建っています。眼下には、日本海の真っ青な海・・・。全校生徒わずか11人の、塩津(しおつ)小学校です。今から7年前の平成10年、毎日同じ時間になると、教室の窓から塩津沖に白い船が見えていました。「どこに行く船なのかな?」子供たちの心に疑問が生まれました。やがて、この船は、新潟県直江津港と福岡県博多港の間を往復する九越フェリー「れいんぼう」とわかりました。早速5、6年生が質問状を送ったところ、船長や乗組員から、質問の答えと、船内の案内ビデオ、乗船記念のキーホルダーが届き、子供たちと、フェリーの乗組員との交流が始まりました。それからは、真っ白な船が見えると、みんな教室の窓に集まり「おーい!」と夢中で手や旗を振ったり、FAXを送ったりしていました。返事がくると、子供たちは大喜び。そのうち子供たちは、だんだん「あの船に乗ってみたいなぁ」という夢を持つようになりました。保護者や地域の人たちが一生懸命になり、船会社も「船は子供にとっては夢を乗せて走るもの。できるだけ、子供たちの希望に応えてあげたい。」と協力してくれたそうです。そして、その年の夏、とうとう船に乗ることができました。今まで交流していた船長や乗組員の皆さんと直接会えた喜び・・・。船から、自分たちの小学校を見た感動・・・。そして、船内には、「塩津小学校コーナー」があり、今までの交流で送った懐かしいものが大切に飾られていたことが何よりも嬉しかったそうです。

今年の夏、子供たちは4年ぶりに乗船したそうです。子供たちから、新たな世代となっても、後輩の子供たちへ受け継がれる真っ白な船との交流。「思いは届き、夢は叶うもの・・・」それこそが、子供たちにとってかけがえのない「宝の思い出」になったでしょう。