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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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9/18放送分 年老いたゾウの楽園

明日は敬老の日・・・。人間だけでなく、年老いたゾウにも敬意を表している人がいます。映画「星になった少年」のモデルになった少年のお母さん、坂本小百合(さかもとさゆり)さんです。

年老いてリタイアしたゾウや、動物園の閉園で行き場をなくしたゾウ、病気やストレスから休養が必要となったゾウたちが、安心して過ごせるようにと坂本さんは、千葉県勝浦に「勝浦ぞうの楽園」を今月23日にオープンさせます。
13ヘクタールの山と谷に生い茂る原生林をそのまま生かし、朝夕30分の散歩で、ゾウが好きなように歩いた跡が道となります。雨水の流れをせき止めて作った大きな池は、ゾウの水浴び場。人の手が入っていない山だからこそ、森を切り崩すのは最小限度にとどめ、自然に近い状態の環境を保っていくそうです。

「日本の子供たちを楽しませる為に連れて来られたゾウたちに、老後は、コンクリートの上でなくて、土の上、自然の中で過ごさせてあげたい・・・」その気持ちは、20歳で事故死した、日本初のゾウ使い:息子の哲夢(てつむ)くんの、願いでもありました。中学生の時、ひとりでタイに渡り、ゾウ使いの養成学校で訓練を受けた哲夢くん。日本に帰り、ゾウを訓練し、子供たちに芸を見せてあげたり、ゾウの背中に乗せてあげたりしていました。その一方で、高齢になったゾウの世話が各地で課題となっていることを知り、「日本中のゾウを幸せにしてあげたい」と言っていたそうです。

ゾウは、いったん仲間と認めたら、人間でもゾウでも、相手をいたわり、喜びや悲しみを共にする生き物だそうです。そんな生き方をするゾウを、最期までいたわる坂本さん。その考えに賛同し、ゾウの楽園を応援する会員たちも徐々に増えてきているそうです。
人間だけでなく、生きとし生けるものすべてを敬う気持ちで、明日の敬老の日を迎えたいですね。