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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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8/7放送分 高校野球の監督

「高校野球の監督」
夏の全国高校野球大会が始まり、甲子園球場で繰り広げられる熱戦に釘付けになります。この甲子園に来るまでにも様々なドラマがあったんだと思うと、さらに胸が熱くなります。
高校野球の監督には、名監督と言われる有名な人たちもいますが、私の中に刻まれているある一人の監督がいます。名前も知らないし、会ったこともない監督ですが、その監督に指導を受けた当時高校球児だった2人から、忘れられない監督の言葉を聞きました。
2人が監督に教わった心に残る言葉を、それぞれ教えてくれました。
ひとつは、「意地を出せ!」・・・。正しい日本語の使い方は、「意地を通す」。一度やろうと思ったことを、無理にでもやり通す。自分の信念を貫くという意味です。それを、あえて「意地を出せ!」という表現に・・・。
もうひとつは、「一所懸命」(いっしょ・けんめい)・・・。「ひとつの所に懸命になる」という言葉です。本来なら、ひとつに、生きると書いて「一生懸命」(いっしょうけんめい)といいますが、これもあえて、「一所懸命」と表現されて教えられてきたそうです。
「意地を出せ」にしろ「一所懸命」にしろ、気持ちの集中を感じる力強い言葉です。言霊といわれるように、言葉にも魂があり、声に出すと不思議な働きがある気がします。この言葉を2人の男性は、人生の勝負所で思い起こし、頑張ってきたそうです。
この2つの言葉の、産みの親は、長崎のある高校野球の監督・・。残念ながら、この監督は数年前に他界されたそうですが、その言葉は、今を生きる若者の胸にしっかり刻まれて活きています。
「一球入魂」。ひとつの球に魂を入れ込むという言葉のように、ここぞ!というところで、「一所懸命」になり、「意地を出す」・・・そんなドラマをくぐり抜けてきた熱い高校球児の試合を見ながら、会ったこともない、もうこの世にはいない、粋な監督のことを思いました。