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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/31放送分 「天と地、1000人の芸術」

15000平方メートルの巨大な水田をキャンバスにした浮世絵が、青森県・田舎館村(いなかだてむら)に出現しました。力強い男、そして、しとやかな女の2枚の絵は、東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)と喜多川歌麿(きたがわうたまろ)の作品。
紫、黄色、緑の稲を使い分け、5月下旬、村民や村内の小学校の児童、それに県内外から、およそ1000人の参加者が集まり、昔ながらの手作業で、1本1本稲を植えました。そして7月初め、稲の生育と共に、たくましく、そして美しく「稲が作り出す浮世絵」が浮かび上がってきました。
田舎館村は、北方稲作文化発祥の地で、今からおよそ2000年前の弥生時代から稲作が続いています。その財産を残し伝えていこうを、これまで県内外に呼びかけて「田植え稲刈り体験ツアー」を行っていました。10回目を迎えた平成14年、何か記念になるイベントを!と企画されたのが、この「水田の巨大アート」。
古代から伝わる稲作を現代の文化と融合させようと、古代品種「紫稲」(むらさきいね)と「黄稲」(きいろいね)、それに現代品種「つがるロマン」の3種類を使って絵を描いてきました。これまで「モナリザ」や「棟方志功」(むなかたしこう)の絵に挑戦し、毎年多くの参加者と観光客で賑わいをみせています。8 月中旬までが見頃で、9月の下旬には稲刈りをするそうです。
「いなかだて」村のモットーは、命を大切にし水と緑を愛するの「い」。何事にも協力し人の和をはかるの「な」。考えを深め学ぶ態度を養うの「か」。誰とでもふれあう心の「だ」。天と地の恵に感謝し働くことを尊ぶの「て」。・・・・だそうです。
そのモットーのごとく、天と地、そして古代と現代の人々の知恵と力がひとつになった、青森県田舎館村の「水田の巨大アート」・・・。いつか芸術作品となる1本を、この手で植える1人になってみたいものです・・・。