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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/17放送分 「夢をかなえた地域の力」

宮崎駿監督のアニメ「となりのトトロ」のキャラクターパネルで一躍有名になった、大分県佐伯市宇目の轟(ととろ)地区。
作者不明の手づくりパネルが登場し、静かな地区に多くの観光客が訪れるようになりました。先日は、老朽化したトトロに変わって、2代目トトロがまたもや現れ、地域の人たちは首をかしげつつ、「また、子どもたちの笑顔が見られる」と喜んでいます。
この「子どもたちの笑顔」の裏には、地域の人たちの、たくさんの力があります。
その昔、轟地区になかったバス停は、地区の大人たちがバス会社とかけあって設置されたもの。木で造られた屋根つきのバス停は、子どもたちを雨や風から守ってくれました。
それから、40年。アニメ「となりのトトロ」に夢中になった子どもたち。「このバス停に、本当のトトロが来てくれればいいなぁ・・・・」。そんな、子どもたちの夢に応えようと、あるお母さんが描いた「トトロ」の絵が、バス停の壁に貼られました。
子どもたちの夢は膨らみます。「ここに、世界中のトトロが集まる場所があったらいいね。」
かわいい孫たちの笑顔が見たいと、ある老夫婦が手作りのトトロ人形を作り、大きな木の枝に乗せてあげました。すると、人形はだんだん増え、いつしか願い事を書いたトトロの人形でその木はいっぱいになり、「トトロの森」と呼ばれるようになりました。
こういった地域の人たちの子どもたちへの思いやりがあって、ある日突然現れたパネルたち。パネルも、安全上の問題で本来なら撤去しなければいけなかったけど、「せっかく作ったんだから、家の畑におけばいい」と言ってくれる人がいて、地区の人も快く移動を手伝ってくれたそうです。そんな気持ちが届いてか、訪れる人たちも、不思議とゴミを散らして帰る人たちはいないとか・・・。
名もない作者がプレゼントした「トトロのキャラクター」たちだけでなく、小川が流れるのどかな山里の風景、子どもたちをやさしいまなざしで見守る地域の人たちに触れ合うため、この夏訪れてみたい土地です。