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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/10放送分 「縁の下の力持ち」

中世のヨーロッパで、レンガを運んでいる人たちがいました。ある人が、その人たちに何をしているか尋ねました。答えは、三人三様。「私は、レンガを運んでいます。」「私は、壁を作っています。」「私は、宮殿を造っています。」・・・・・・
外から見える姿は一緒でも、心の中はそれぞれ全く違っています。
日常の仕事や勉強でも、そのひとつひとつは、夢への大きな歯車を担っている・・・・。それを、つい、地味なことと思ってしまったりする私達・・・・。心の中の考え方ひとつで大きな誇りと自信に結びつくのでしょうね。
日本の、最近のドラマの中で、ある青年が語るこんな台詞がありました。
「奈良の東大寺の大仏って、教科書には、聖武(しょうむ)天皇が造ったと書いてあるけど、実際に造ったのは、名前も知られることのない大勢の人たちなんだよねぇ。」
そんな台詞をさらりというドラマの中の彼に心惹かれ、また、その台本を考えた脚本家に感心しました。
歴史に残る建造物は、それを考案した当時の権力者は知られていても、体を使って造った無名の人たちがいたことは、葬り去られている・・・。世に知られている人の影に、たくさんの人の力があることが見えるって、素敵なことだと思いました。
「縁の下の力持ち」という諺を改めて辞書で引くと=表に出ないで、重要な仕事をしていること=と書いてあります。
縁の下で誇りをもつ人。縁の下の存在に感謝し、ねぎらう人。その両方があってこそ、思い出に残る「もの」や「出来事」を作り出されるのかもしれないと感じました。