FM 福岡 FUKUOKA

2026年7月4日放送
「50代女性が昨年亡くなった父親を想いながら綴った手紙」

お父さん、庭のひまわりが今年も元気に咲きましたよ。

ひまわりを見るたびに、子どもの頃のことを懐かしく思い出します。

毎年、お父さんと一緒に庭に種をまきましたね。

水やりや、茎を太く丈夫に育てる方法を教えてくれたのも、お父さん。

やがて、大きな黄色い花をつけるころには、セミの合唱も始まっていました。

ある時、無口なお父さんが、夏の青空に映えるひまわりを見上げながら、こんなことを言っていました。

「ひまわりは太陽を追いかける。人間も明るい方を向いて生きればいい」

当時はまだ深くは考えなかったけれど、なぜかこの言葉が心に残っていました。

そして大人になるにつれ、お父さんが何を伝えたかったのか、少しずつ分かってきたような気がします。

仕事で失敗した時も、大切な人との別れに涙した時も、

お父さんの言葉を思い出しながら前を向いてきました。

今年は、お父さんのいない初めての夏です。正直、まだ実感がありません。

でも、庭に咲いたひまわりを見ていたら、なんだか温かな気持ちになりました。

お父さんは今も私たち家族を見守ってくれている。そんな気がしたからです。

お父さん、来年もまた、大きなひまわりを咲かせますね。