FM 福岡 FUKUOKA

2026年6月27日放送
「長年愛用していた万年筆を孫へ譲ることにした祖母からの手紙」

二十歳のお誕生日、おめでとう。

プレゼントは何がいいか、いろいろ考えたけれど、

私がずっと大切にしてきたこの万年筆を贈ることにしました。

若い頃の私に似て、書くことが好きなあなたに使い続けてもらいたくて。

これはね、私が若い頃にずいぶん背伸びをして手に入れて、

それから何十年も一緒に過ごしてきた万年筆です。

ペン先には私の書き癖が付いているかもしれないけれど、

それも、“おばあちゃんの人生”の一部。

モノには、使い手の心が宿るといわれています。

この万年筆も、私が迷った時、悲しかった時、そして嬉しかった時、

いつも私の心の声を、言葉にして綴ってくれました。

これからあなたが歩む人生にも、きっといろんなことが起きるでしょう。

心の声を言葉にしたくなった時は、この万年筆を握ってみて。

そこにひっそりと息づいている、私の時間、そして私たちが積み重ねてきた家族の記憶を

あなたなら感じ取ってくれると思います。

次はあなたが、この万年筆でどんな新しい物語を綴っていくのか。

ずっと見守っているからね。