FM 福岡 FUKUOKA

2026年3月7日放送
「閉校する小学校の用務員さんが児童たちに送った手紙」

今日で、この学校のチャイムが鳴り止みます。

そう思うと、掃除用具を片付ける手が、いつもより少し重たく感じます。

私は、皆さんに勉強を教えることはできませんでした。

私の仕事は、学校の見回りや掃除をし、花壇の草を抜き、

皆さんが安心して勉強できる環境づくりのお手伝いをすることでした。

でも、毎日その中で、私は皆さんのことをずっと見ていました。

転んだ友達に声をかけていたこと...

誰も見ていないのに、靴箱の靴をそろえていたこと...

テストの点数には表れませんが、

私は、そんな皆さんの小さな優しさを見るのが、何よりの楽しみでした。

皆さんが帰った後の静かな校舎を歩きながら、

「この学校にはいい子たちがいるな」と、誇らしく思ったものです。

明日から、この校舎に皆さんの声は響きません。

でも、悲しまないでください。

学校はなくなっても、皆さんの心の中には、目に見えない校舎が残ります。

ここで身に付けたやさしさや思いやりは、きっとこれからの道を支えてくれるはずです。

そして、辛いときは思い出してください。

いつも学校をピカピカにして、皆さんが登校してくるのを待っていた用務員のことを。

皆さんは、私の自慢の子どもたちです。

どうか胸を張って、前へ進んでください。