FM 福岡 FUKUOKA

2025年8月9日放送
「30代女性が離れて暮らす友人へ宛てた手紙」

今年も花火大会の日がやって来ましたよ。

毎年、奈央ちゃんと一緒に花火を見に行ったことを懐かしく思い出しています。

あれは、高校2年生のときだったかな。

打ち上げ花火の中に、ハートなどの形を描くものがあって、

打ちあがるたびに、みんなが歓声を上げていたんだけど、

その中のスマイルマークの一つがきれいな形にならなかったよね。

あの頃の私は、出来のいいお姉ちゃんと何かと比べられるのがイヤになって、自分に自信をなくしていました。

それで、形の崩れたスマイルマークがなんだかダメな自分と重なって、

思わず口から出たのが、「残念、失敗だね」という言葉。

すると、奈央ちゃんは、「これはこれできれいだよ」と言って、一層大きな拍手を送っていたよね。

その姿が今でも忘れられません。

「人がなんと言おうと、いいものはいい」

この言葉を奈央ちゃんから何度聞いたことか。

そして、いいところも悪いところも全部含めて、ありのままの私を受け入れてくれました。

おかげで私は、少しずつ自分のことを好きになれたような気がします。

誰かと比べる必要なんてないんだよね。

だって、自分は自分。この世にたった一人の存在だもの。

そう思えるようになったのも、奈央ちゃんのおかげです。

またいつか、一緒に花火を見に行こうね。