FM 福岡 FUKUOKA

2025年3月8日放送
「50代女性が物を大切にしていた亡き母を思って綴った手紙」

古いアルバムを整理していたら、その中に挟んであった何通かのお母さんの手紙を見つけました。

手紙といっても、チラシや包装紙の裏に書かれたものばかり。

懐かしいお母さんの文字を見ていたら、小学生のころを思い出しました。

うちは共働きだったので、学校が終わって誰もいない家に帰るのは寂しかった。

でも、お母さんは毎日、手紙を書いてくれていましたね。

お母さんのその日の予定と、「今日の学校はどうだった?」

「おやつは冷蔵庫に入れてあるから、先に宿題をして食べてね」といった

他愛もない内容だったけど、読むのが楽しみでした。

そして、何よりお母さんの温かさが伝わってきて、安心できたことを覚えています。

お母さんは「もったいない」が口癖で、物を大切にする人でした。

デパートなどの包装紙も、きれいにしわを伸ばして、畳んでしまっていましたね。

その包装紙で教科書のカバーを作ってくれたとき、

「恥ずかしいからいやだ」と言って、カバーを破って捨ててしまったことを思い出しました。

お母さん、ごめんね。

偶然見つけたお母さんの手紙が、物を大切にする心と思いやりの心を

私に改めて教えてくれたような気がします。