2024年11月9日放送
「ファッション誌の40代の編集者が、出版社を退職する編集長に宛てた手紙」
編集長、長年に渡るご指導、ありがとうございました。
今後は以前から夢だと語られていたセレクトショップをオープンするとのこと、楽しみにしております。
私が育児休暇を経て、30代半ばで出版社へ戻ってきた時、
編集長から20代前半の女性をターゲットにした雑誌をつくる部署に呼ばれ、驚きました。
私が「まだ20代の感覚についていけるのか?」と不安を募らせていると、
編集長は「はて?子どもが喜ぶ漫画やアニメは、子どもが描いているのかしら?」と一蹴。
そして、「例えば着物は少し襟の抜き方を変えるだけで、その人の人格や人柄まで違って見えるように、
ファッションは、ただ流行の服を着ればイイという単純なものではないの。
経験を積んだ編集者なら、そんな人格や人柄まで美しく見せるファッションを提案できるでしょう」と、
私の背中を押して下さいました。
あれからもうすぐ10年...私なりにトータルで女性を引き立たせるファッションを提案してきましたが、
編集長には何度もダメ出しされましたよね(笑)。
そんな編集長に、「次はあなたが編集長よ」と言われ、またも驚きましたが...もうあの時のような不安はありません。
なぜならそばで見続けてきた編集長の姿が、私の道しるべとなるからです。
これからも編集長の口癖だった、「ファンションの基本は憧れとトキメキ」という言葉を胸に、
多くの読者が憧れ、ときめいてくれる雑誌をつくっていきます。
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