FM 福岡 FUKUOKA

2024年8月17日放送
「お姑さんの1周忌に綴った60代女性の手紙」

お義母さん、あれからもう1年がたちましたよ。

最近よく、一緒に過ごした日々のことを懐かしく思い出します。

きっとお義母さんにとって、私は理想の嫁ではなかったと思います。

几帳面で何でもテキパキこなすお義母さんと、のんびり屋でどこか抜けている私。

同じような性格の母親に育てられた私にとって、健一さんの実家での結婚生活は修業のようなものでした。

「もう無理」と思ったことは何度もあります。

健一さんも、二人の間に入って大変だったことでしょう。

認知症が進行してお義母さんが施設に入ることになったとき、正直言ってホッとしました。

健一さんのことも孫のことも分からなくなったのに、そんな私のことを最期まで覚えてくれていたなんて...

施設のスタッフに笑顔で、「この人は、私のかわいい人」と言っているのを聞いたとき、

これまでの苦労がすべて報われた気がしました…。

口ではキツイことを言っても、私のことを温かい目で見てくれていたんですね。

相変わらずのんびりしているから、気づくのが遅くて、ごめんなさい。

今日はお義母さんの大好物の桃をたくさん買ってきましたよ。

もう一度会いたいな、お母さん。