2024年6月8日放送
「高校の花壇を管理していた用務員に宛てた、20代女性の手紙」
お元気でいらっしゃいますか。
今年も吉村さんが大切に育てていたアジサイの花が色づき始めましたね。
高校生の頃、園芸部に所属していた私に、吉村さんは「稲は人の足音を聞いて育つというように、
花も人が気にかけてあげると、美しい花を咲かせて恩返しをしてくれるんだよ」と教えてくれました。
毎年、学校の花壇を美しく彩るアジサイの花を見て、その言葉を実感した私は花が大好きになって、
大学卒業後はアルバイト先の花屋に就職。いまは贈答用の花束をつくる仕事を中心に頑張っています。
特に色にはこだわっていて、例えば出産祝いには疲れている母親を癒す優しい色の花束を、
披露宴には新婦を美しく彩る華やかな色の花束を、そして、誕生日には好きな色の花束をと、
贈られた方が一番喜ぶ色の花束をつくるように心がけています。
そんな人を癒し、笑顔にする力をもつ、素敵な仕事に興味を抱くきっかけをつくってくれた吉村さんには、
本当に感謝しています。
ちなみに、以前、街で偶然お会いした時に、いまは学校を退職されて、
お孫さんたちに囲まれながら自宅でガーデニングを楽しまれていると仰っていましたよね。
アジサイが好きな吉村さんらしくて、微笑ましく思ったのを今でも覚えています。
なぜならアジサイの花言葉は、小さな花が集まって大きい花に見えることから「家族団らん」...なのですから。
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