FM 福岡 FUKUOKA

2024年3月23日放送
「18歳の男性が子どもの頃から通っていたラーメン屋の店主に宛てた手紙」

突然ですが、この春から関西の大学に進学することになりましたので、ご報告します。

父に手を引かれて初めてお店を訪れてから10年以上...

毎週のように食べてきた豚骨ラーメンが、僕は何よりも好きです。

吉田さんがお店のカウンター越しに、僕の名前を呼んで「いらっしゃい」と声をかけてくれるのも嬉しくて、

友だちに僕は常連客なんだぞって自慢できました。

お店での思い出はたくさんありますが、

一番は僕が吹奏楽部の演奏会で、ソロパートを失敗して落ち込んでいた時のことです。

部活の仲間と反省会をしていたら、吉田さんは、

「有名な野球の監督が“失敗”と書いて“成長”と読むと言ってたぞ」と教えてくれました。

そして照れくさそうに、「昔は俺も何度も失敗してスープを捨てたもんだ」と言いながら、

頼んでもいない替え玉をポンと丼に入れてくれましたよね。

その時にすすったラーメンの味は、一生忘れません。

吉田さんのつくる豚骨ラーメンは、僕にとって母の手料理と同じ故郷の味です。

帰省した時には必ず顔を出します。いまより成長した自分を見てもらえるように頑張ります。