FM 福岡 FUKUOKA

2024年2月24日放送
「今春、幼稚園の先生になる男性へ、大学時代の同級生が宛てた手紙」

光晴、おめでとう。大学生活の4年間、お前の苦労をそばでずっと見てきただけに、

自分のこと以上に嬉しいよ。

まさか、お前に病気が見つかるなんて...。最初、聞いた時は、信じられなかった。

だって、バスケ部で一緒に、あんなに練習してたし、

あの地獄の夏合宿だって、一歩も退かずにやりきったし、誰よりも点を取って、走り回っていたじゃないか。

俺は、エースのお前の背中をいつも追っていたんだよ。

プロリーグの道を諦めるのはどんなに辛かったことだろう。ずいぶん悩んだと思う。

お前が進路を変えて、幼稚園の先生を目指すと言った時は驚いたよ。

その体でどうやって勉強を始めるんだ、って。でも本気だとすぐ分かった。

治療でパンパンに腫れた体を押しながら、教育学部に入り直して、一から学ぶなんて、本当にすごいと思った。

いつも最前列で講義を聞いていたらしいじゃないか。

これからも病気とは上手く付き合っていくしかないんだってな。俺、お前がよく言っていた、

「人生、勝つことよりも負けないこと」っていう言葉の意味が、今なら分かる気がするよ。

病だろうと、何だろうと、絶対に負けたくない、くじけない、何度だって立ち上がって、そして夢を叶える、

そういうお前の生き方が、世界で一番格好いいと思うよ。

誰よりも苦労してきた分、きっといい先生になるだろうな。

子どもたちの夢をはぐくむ仕事、お前にぴったりだよ。

本当におめでとう。