FM 福岡 FUKUOKA

2023年8月5日放送
「花火職人の父親に宛てた30代女性の手紙」

今年もいよいよ本格的な打ち上げ花火のシーズンがやってきましたね。

いまから大勢の観客が、お父さんの花火を見て歓声を上げるのを想像してワクワクしています。

でも夜空を美しく彩る花火の華やかさとは裏腹に、

「花火職人の仕事はとても地味なんだよ」と、お父さんはいつも言っていましたよね。

冬の凍えるような寒さの中、工場の片隅で、真っ黒になりながら、

黙々と火薬を配合しては玉に詰めていく...まさに命懸け。

火薬という危険物を扱うその仕事が、どれほど神経をすり減らすか。

確かに派手ではないかも知れません。でも私にとって子どもの頃から見慣れたその光景は、

カッコイイ職人の姿そのものでしたよ。なんてったって何千、何万人の感動を生み出すんですから。

今年の夏は、ここ数年のコロナ禍で研究を重ねた新作の花火も打ち上げる予定だと、お母さんから聞きました。

夏の夜空に大輪の花を咲かせるその一瞬のために、苦労をいとわないお父さんの生き方が大好きです。

誰が見ていなくても私が見てますから。

これから忙しい日々が続きますが何よりも安全を第一に、無理をせずに頑張ってくださいね。