FM 福岡 FUKUOKA

2023年7月1日放送
「自分が産まれる前に亡くなっている、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんへ宛てた女子高生の手紙」

私の名前は楓です。

二人にとって、ひ孫にあたります。

お母さんが整理したといって見せてくれた昔のアルバムの中に、古い白黒の写真がありました。

まだ若い男女が、ちょっと硬い表情で、カメラの前に並んで立っています。

私はなぜか、その写真から目が離せませんでした。

お母さんから、私のひいおじいちゃんとひいおばあちゃんで、多分、結婚してまもなく、

自宅の庭で撮った写真だろうと聞きました。

今では考えられないけれど、結婚前に二人で会ったのはわずか数回だったとか。

それを知って、少し離れて立っている二人の姿がとっても初々しくて、思わず笑顔になりました。

写真をよく見ると、二人のバックに楓の樹が写っています。

楓は私の名前。

いずれ私が生まれることは、この写真を撮った時から決まっていたようで...

なんだか不思議な気持ちになりました。

そもそも、二人が出会って結婚していなければ、私は今、ここにはいなかったのですから。

ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん、私へと命をつないでくれてありがとう!

直接、この手紙を渡すことはできないけれど、きっと私の思いは伝わっていますよね。