FM 福岡 FUKUOKA

2022年8月27日放送
「20代女性が自分宛にメッセージを綴った手紙」

今年もセミが元気に鳴いています。

昨日、仕事帰りにセミの抜け殻を見つけて、ずっと忘れていたあの日のことを思い出しました。

その日、小学5年生の私が庭の木で目にしたのは、半分脱皮しかけているセミ。

でも、よく見ると、セミはそのまま死んでいました...

セミの幼虫は何年も土の中で過ごして、ようやく地上に出てきても、わずか1週間ほどしか

生きられないことを知っていた私は、悲しいというより、ひどくショックを受けました。

暗い土の中でずっと我慢して、やっと自由に空を飛べるはずだったのに、その直前に力尽きてしまうなんて...

でも、最後まで頑張った姿がそこにはありました。

また土に埋めるのはかわいそうで、空がもっと近い枝の上にそっと置いてあげましたよね。

今もし、同じような光景を目にしたら、私はそのまま通り過ぎてしまわないでしょうか...

命の尊さを実感したあの日の純粋な気持ちを、いくつになっても忘れたくない。

セミの抜け殻が、大切なことを思い出させてくれました。