2022年7月9日放送
「50代女性がかつての隣人に宛てた手紙」
先日、いただいた朝顔の種をまきましたよ。
あなたのことだから、毎年、特にきれいに咲いた朝顔を選んで、種を送ってくれているんでしょうね。
今年はどんな色の、どんな朝顔が咲くんだろうと、ワクワクしながら育てています。
まだ、お隣同志だったころは、あなたが育てる四季折々の美しいお花を、一緒に楽しませてもらいました。
夏には、いろんな種類の朝顔が、毎日次々と咲いて、なんとも涼やかな気持ちになったものです。
青、白、紫、赤、ピンクと色とりどりで、ふちが白かったり、花の中に星型があったり、ストライプが入ったり...。
咲くのは一日だけ。それが潔くて好きだと、あなたは言っていましたね。
いつの間にか私も、朝顔が大好きになっていました。
あなたが引っ越すことになった時、私に手渡してくれた小さな巾着袋に入っていたのは、朝顔の種。
そして、「固い絆」という、朝顔の花言葉が添えられていました。
引っ越してからも、毎年送ってくれる朝顔の種に、変わらぬ絆を感じています。
今では、夏になると、うちの朝顔を楽しみにしてくれている近所の人もいるんですよ。
種が欲しいという人には、分けてあげています。
今年の夏も、あなたの朝顔は、いろんなところできれいな花を咲かせてくれることでしょう。
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