FM 福岡 FUKUOKA

2022年3月19日放送
「女子高生が単身赴任中の父親へ宛てた手紙」

お父さん、今年も庭の桜の花がほころび始めましたよ。

私が生まれた時、お父さんが植えてくれた桜の木。

物心ついた時から、この時期になると、いつつぼみが開くか待ち遠しくて、

毎日毎日、桜の木を見上げていたから、わが家の開花宣言をするのは、決まって私だよね。

小さな春を見つけたようで、なんだかわくわくした気持ちになるんだ。

美しい桜と書いて、「美桜(みお)」。

お父さんがどんな思いを込めて、この名前をつけてくれたのか、お母さんから聞きましたよ。

桜って厳しい冬を越えながら、樹木全体で桜色を蓄えるから、

春にあんなにきれいなピンク色の花を咲かせるんだよね。

冬のあとには、必ず春が訪れる。

だから、困難のあとには、必ず笑える日が来ると信じて乗り越えられる、そんな人になってほしいって。

素敵な名前をつけてくれて、ありがとう!

この名前のように、人生にきれいな花を咲かせる人になりたいな。

今年も、もう春だよ。

お父さんと一緒に庭で花見ができないのは寂しいけれど、満開になったら写真を撮って送るね。