2021年12月25日放送
「アマチュア合唱団の指揮者が団員へ宛てた手紙」
今年もベートーヴェンの第九を、皆さんと歌う季節がやってきましたね。
ベートーヴェン生誕250周年の去年は、残念ながらオンラインでの発表という形でした。
今年も練習はオンラインで行いましたが、大晦日の本番では皆さんと一緒の場所で歌えることを嬉しく思います。
バリトンソロが「おお友よ、このような音楽ではない」と歌い出し、「もっと喜びに溢れたメロディを歌おう!」と続く
第4楽章は、現代にも通じる大切なメッセージが込められています。
例えば「勝利に突き進む英雄のごとく、自らの道を行け」「抱擁と接吻を全世界に」、
「すべての人々は兄弟になるのだ」といった、シラーの書いたドイツ語の歌詞は、
今の時代にこそ、改めて心に刻みたいメッセージだと私は思います。
思えば「第九」は、東日本大震災の後、犠牲者を追悼するために...
古くは、ベルリンの壁が崩壊した直後にも、指揮者のバーンスタインの呼びかけで演奏されました。
そんな「第九」に込められたメッセージを観客へ届けるためにも、
日本語の訳詞を、もう一度読み込んでおいてくださいね。
合唱で歌われる曲はエネルギーに満ち溢れた曲が多く、歌う我々も元気をもらえます。
さあ、間もなく開演です。新しい年へと向かって、一緒に声を合わせて響かせましょう。「歓喜の歌」を!
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