FM 福岡 FUKUOKA

2021年7月31日放送
「ホストファミリーを経験した家族がイタリアへ戻った留学生に宛てた手紙」

ファビオへ。 

お元気ですか? 

Eメールなら簡単だけど、海を越えて届く手書きの手紙もたまにはいいかなと思って、

今日はいつものメールとはちょっと違うことを書きますね。

ファビオは私たち家族が初めて迎える留学生でした。

日本のアニメの大ファンで、とにかく日本のことが知りたくて、質問攻めでしたね。

あなたが特に興味を持ったのは、日本語ならではの表現。

「いただきます」「ごちそうさまでした」「行ってきます」「行ってらっしゃい」、などなど。

こちらは家族総出でイタリア語を調べながら、なんとか説明しようと四苦八苦。

でも、ファビオのおかげで、日ごろ何気なく使っている言葉について改めて考える、いい機会になりました。

ファビオが日本へやって来たのは夏だったこともあり、

うちわや風鈴といった日本の夏の風物詩にも興味深々。

湿気の多い日本の夏を少しでも涼しげに過ごそうという、日本人の工夫と感性に感心していましたね。

平凡な日常の中にも、素晴らしい世界があふれていることに気付かせてくれたファビオ。

毎日が新鮮に映りました。

イタリアに帰る日、「お世話になりました。行ってきます!」と、上達した日本語で挨拶して、

深々とお辞儀をしたあなたの姿を決して忘れません。

いつの日か、また、「ただいま!」と言って帰ってきてね。待っていますよ。