FM 福岡 FUKUOKA

2021年7月17日放送
「高校のバスケットボール部の2年生が引退する3年生に宛てた手紙」

先輩へ。

3年間、お疲れさまでした。

本当は最後の試合のあとに直接伝えたかったけれど、その機会がなくて、手紙を書くことにしました。

きっと先輩は、「なぜ私に?」と思っているでしょうね。

先輩は試合に出ることはなかったかもしれませんが、私が一番影響を受けた、尊敬する先輩なんです。

中学からバスケをやっていた私は、県内でも強豪チームのある、この高校に入るのが夢でした。

その夢が叶い、念願のバスケ部に入ったものの、すぐに自分の実力を思い知らされることに...

とにかくうまくなりたいと、必死で練習しましたが、なかなか成果は出ません。

このままだと、レギュラーになるなんて夢の夢。

辞めてしまおうかと悩んでいたとき、声を掛けてくれたのが先輩でした。

「試合に出るのは5人だけど、5人だけじゃあ戦えない。そのことを分かっている5人が、

みんなの思いも背負ってコートに立つから、うちのチームは強いんだよ」

その言葉に、私はハッとしました。

それまでの私は、自分のことしか考えていなかったことに気が付いたんです。

3年生になっても、練習後の片付けを率先してやっていた先輩。

チームは、お互いに信頼し、思いやることが大切だということを学びました。

バスケ部に入って本当によかったと思っています。

先輩、ありがとうございました。