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ブチカンガストロノミー研究所 10月2日 きのこ

ガストロノミーとは、「食事と文化」全般について指すもので、食材、その食材を使った郷土料理と文化、それを出すお店、というふうに、食材を起点に「食べること」を追求していくものです。
近年では、「ガストロノミー・ツーリズム」と言って、現地に行かなければ出会えない料理を求めて旅行する方も増えてきました。
そんな福岡が誇る食材にスポットを当て、皆さんにも知って頂こうというコーナーです。

現在のテーマは、「きのこ」です。
実は、福岡県は長野県、新潟県に次ぐ全国第3位のきのこ生産量を誇る有数の産地です。
その中でも三潴郡大木町は、きのこの生産量西日本一を誇る「きのこの町」として知られています。


ということで、大木町にある九州最大規模のきのこ生産企業「株式会社きのこの里」の、専務の北島さん、常務の田中さんにきのこについてインタビューしてきました。

■「株式会社きのこの里」について

https://ookinoko.com/index.html
福岡県三瀦郡大木町大角808番地
昭和60年9月に組合を設立して、今年で41年です

きのこの里で作られたきのこが購入できる店舗
ゆめタウン、道の駅おおき、道の駅みやま
JAから出荷しているものは、福岡県内の各スーパーで購入できます

■きのこの栽培
きのこの菌をもとにして「種」にあたるものを作ります。
大木町には、町内のきのこ生産者が出資している「大木きのこ種菌研究所」があり、
そこで専門的に菌種を作ったり、品種改良を行っています。
きのこの菌種を作る際には、他の菌が入り込んでしまうと使用できなくなるため、
無菌状態で管理することが重要です。

■きのこの品種改良を行っているところ
民間企業による研究のほか、各県の試験場などでも行われています。
長野県など、きのこの生産が盛んな地域では、
民間や県の試験場などが菌種の研究・改良に取り組んでいるそうです。
福岡県でも、県の試験場がさまざまなきのこの研究を行っています。
大木町では、大木町のきのこ関係の研究機関と福岡県側が共同研究を行っています。
現在栽培しているぶなしめじの菌種も、福岡県との共同研究によって菌種登録されたものです。

■きのこ栽培で怖い「カビ」
きのこはできるだけクリーンな環境で栽培されています。
それでも、栽培している瓶の中にカビなど、別の菌が入り込んでしまうことがあるそうです。
過去には、現在よりもそうしたトラブルが起きる頻度が高く、
栽培していたものの大部分が被害を受けたこともあるとのこと。
そうした経験があるからこそ、現在は異物となる菌が入り込まないよう、より厳重に管理しています。



■スーパーで売られている「100g」という基準
スーパーなどで販売されているえのきは、100gを一つの基準として価格が設定されています。
なぜ100gなのかは、肉などで「100gいくら」という表示が一般的だからではないか、とのことでした。
なので、市場との取引でも、「100gあたりいくら」という形が一つの基準になっています。
100gという考え方は、えのきだけでなく、しめじなど他のきのこにも共通する基準になっています。

■収穫量を増やす
きのこを栽培するとき、最初から「100g1パックを作る」ことだけを考えているわけではありません。
例えば、瓶を小さくして、100g程度しか収穫できないようにする方法もありますが、
1瓶からできるだけ効率よく多くのきのこを収穫するほうが重要です。
例えば1瓶から300g収穫できれば、3パックに分けて販売できます。

■えのきの石づき
石づきは、切り落として捨てる部分というイメージがありますが、実際には栄養分が残っています。
また、切りすぎると、水分などが失われやすくなり、日持ちや鮮度にも影響します。
消費者にとっては、余計な部分が多すぎると使いにくい。
一方で、生産者側としては、切りすぎれば重量が減るだけでなく、鮮度保持の面でも問題になります。
そのため、消費者と生産者の双方にとってちょうどよいところを見極めている、という話でした。
また、石づきのすぐ上の、きのこがまとまっている部分は食べることができます。
石づきの部分に菌糸が多く集まっているため、ジャキジャキとした食感で、味も濃いです。
そこをうまく切り出して、束になった状態のまま焼くと、きのこの繊維が縦方向に入っているため、
ホタテのように、繊維がほろほろとほどけるような食感になります。

来週もきのこの話を続けます。