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ブチカンガストロノミー研究所 5月22日 たけのこ

ガストロノミーとは、「食事と文化」全般について指すもので、食材、その食材を使った郷土料理と文化、それを出すお店、というふうに、食材を起点に「食べること」を追求していくものです。
近年では、「ガストロノミー・ツーリズム」と言って、現地に行かなければ出会えない、そんな料理を求めて旅行する方も増えてきました。
ブチカンでは、そんな福岡が誇る食材にスポットを当て、皆さんにも知って頂こうということで、このコーナーをスタートさせました。

4月17日以来で、戻って参りました、現在のテーマは、「筍」です。
筍と言えば、福岡には、合馬があります。


ということで、北九州市小倉南区で筍の生産から加工まで行う筍のプロ、とみ川商店の冨川社長、そして、山部隊の品川さん、柳田さんに筍についてインタビューしてきました。

■ とみ川商店について

昭和63年創業の筍の生産、加工食品の製造販売を行う会社です。
こちらで育った筍や加工品は、北九州中央卸売市場だけではなく、東京大田市場、豊洲市場、大阪中央青果、京都の市場などに出回ります。

https://tomikawa-shoten.com/

■筍が出るタイミングの予測について
筍は積算温度(一定時間の気温の累積)で発生時期が決まります。
福岡県では、研究機関から「何時間分の気温が蓄積した」から、いつ出始めるのか、いつがピークになるのかなどの情報提供があります。

■福岡県竹林品評会
竹林生産技術の改善を図り、
生産者所得の増大と竹産業の発展に寄与することを目的としたものです。
とみ川商店は、整備された竹林が高く評価され、2024年に県知事賞に輝きました。

■竹林の整備
竹林は「100m×100m(1ヘクタール)」単位で管理されています。
放置竹林は、1m間隔より狭く、1万本以上生えている場合もあります。
竹が密集しすぎて、イノシシも通れないほどです。
これを整備して、竹同士の間隔は約2.5〜3m、約2000〜3000本程度に間引きします。
すると、太陽光が地面まで届くため、地熱が上がり、良い筍が育ちます。
京都の高級筍栽培では、竹林をきれいに掃除して藁を敷いて赤土を被せ、地温を上げています。
間引く竹の判断ですが、親になる竹と赤ちゃんである筍は、地下茎でつながり複雑に入り組んでいます。
竹は5年程度を過ぎると、良い筍を出さなくなるため、切ることになります。
また、太い親竹があれば太い筍が育つため、市場価値を判断してどの竹を残すかを決めています。

■市場で求められる筍のサイズ
一般的には、扱いやすい中型や小型の筍のほうが高値になることが多いです。
とみ川商店の場合、加工や学校給食にも必要なため、大型の筍も育てています。

■筍ブランドについて
「合馬たけのこ」の名称は、北九州農業協同組合(JA)によって地域団体商標に登録されたものです。
つまり、そこの基準を満たしていなければ、「合馬たけのこ」を名乗ることはできません。
ですから、北九州でも他の地域で獲れたものは「北九州産」になります。
もちろん、とみ川商店も正式に「合馬たけのこ」を使用できます。
ちなみに、とみ川商店では、学校給食用の筍も卸していますが、こちらは北九州産のものです。

■筍雑学
竹にオスとメスがあるという話ですが、現場でも明確には分からないそうです。
業界で楕円形で平たい形の白い筍のことを、「白子(しらこ)」、「メス筍」と言います。
「白子」は白く、象牙のような色合いで希少価値があるため、1本 2万〜5万円になることもあります。
「白子」の味わいは、あくが少なく瑞々しいそうです。
ちなみに、良い筍は水分を多く含んでいるので、そのまま立てておくと切り口から大量の水が出ます。
家庭で置いておく場合は、逆さまにしておくと良いでしょう。
すると、筍がパサつきません。

さあ、来週はいよいよ筍の山に行った話になります。