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ブチカンガストロノミー研究所 4月10日 たけのこ

ガストロノミーとは、「食事と文化」全般について指すもので、食材、その食材を使った郷土料理と文化、それを出すお店、というふうに、食材を起点に「食べること」を追求していくものです。
近年では、「ガストロノミー・ツーリズム」と言って、現地に行かなければ出会えない、そんな料理を求めて旅行する方も増えてきました。
ブチカンでは、そんな福岡が誇る食材にスポットを当て、皆さんにも知って頂こうということで、このコーナーをスタートさせました。

最初のテーマは、今が旬の「筍」です。
筍と言えば、福岡には、合馬があります。


ということで、北九州市小倉南区で筍の生産から加工まで行う筍のプロ、とみ川商店の冨川社長、そして、山部隊の品川さん、柳田さんに筍についてインタビューしてきました。

とみ川商店

昭和63年創業の筍の生産、加工食品の製造販売を行う会社です。
こちらで育った筍や加工品は、北九州中央卸売市場だけではなく、東京大田市場、豊洲市場、大阪中央青果、京都の市場などに出回ります。

https://tomikawa-shoten.com/

■ 産地による違いと品質の決め手
筍は産地によって見た目も品質も大きく異なります。
例えば、熊本産では、皮が黒々していますが、合馬産は薄い黄金色です。
品質を左右する要素は、土壌と気候と水質です。
合馬地区の水は、平尾台が近く石灰岩質でミネラル(カルシウム)が豊富です。
この水質のため、柔らかく良質な筍が育つのではないかとのことでした。

■ とみ川商店の筍の加工の流れ
 4月中旬〜5月頃が最盛期になり、この頃に収穫した筍は、缶詰にします。
収穫したものを、高温のスチームで蒸し、一晩かけて芯まで冷やします。
それを一斗缶で缶詰にして保存します。(賞味期限は3年ほど持つそうです)
缶詰は、必要に応じて開封し、真空パックなどに再加工して販売します。

●なぜ、缶詰にするのか?
目的は「品質安定」と「味の調整」です。
筍は加工直後だと風味が不安定で、尚且つ、菌の繁殖を防ぐためpHを(約4.2〜4.5)調整に調整しているので、若干の酸味があります。
それを、丸ごと真空パックにしたり、半割、筍ご飯の素などに再加工することで、一年通して美味しい筍を提供することができます。
ただ、缶詰をそのまま買って帰る方もいらっしゃるとか。

■ 筍の下処理
米のとぎ汁、米糠、唐辛子など色々なアクの抜き方があります。
ただ、合馬の筍は、収穫して翌日くらいまでなら、茹でる必要もないそうです。
また、新しいアク抜きとして、常温の大根の絞り汁に漬ける方法があります。
これでもアクがしっかり抜け、火を通さないのでシャキシャキ食感が残って良いそうです。

■ 筍豆知識
筍の中をよく見るとある「小さな白い粉」。
これは、アミノ酸の一種である「チロシン」という栄養成分です。
チロシンは神経伝達物質で、害はなく、神経系の予防に使えるのではないかと考えられているものなので、食べたら頭にいいかもです。