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メシュラングルメ研究所 10月2日 パン

メシュラングルメ研究所です!!
様々な食材に関して、研究、新たなメニュー開発を
していこうじゃないかというコーナーです。

今週から、新しい研究に入ります。
それは、パンです!!



ということで、大人気のパン屋さんに行って、店主の平山さんと色々お話してきました。

Boulangerie pain stock(ブーランジェリー パンストック)
箱崎本店
福岡市東区箱崎6-7-6
【TEL】092-631-5007
【営業時間】10:00 – 18:00(短縮営業中)
【店休日】月曜日、第1、第3火曜日
https://www.facebook.com/painstock.fuk/

天神店
福岡市中央区西中洲6-17
【TEL】092-406-5178
【営業時間】10:00 – 18:00(短縮営業中)
【店休日】月曜日、第1、第3火曜日
https://stockonlineshop.com/


2010年に開業。  
店主の平山さんは、福岡大学卒業後、福岡のパン屋で働き、フランスで研修後、東京の「シニフィアン・シニフィエ」の志賀シェフのもとで修行。
その後、ダンディゾンの浅野シェフのもとで修行し、福岡に戻り、数年福岡のパン屋で働きながら独立の準備をし、福岡市箱崎の片隅に「パンストック」をひっそりオープン。
「パンストック」のコンセプトは”冷凍しても美味しく食べられるパン”。
ゆっくりゆっくりパン生地を発酵させることで、冷凍保存しても固くならないように作ったパンを色んな家庭で食べてもらえたらという想いを込めて、添加物、マーガリンを使わず、国産小麦、もしくはオーガニックのフランス小麦を使うなど、自分の子供に食べさせても罪悪感のないものを選択して、材料に使っています。
毎日のことだからこそ丁寧に、手を抜かないパン作りを心がけています。

で、まずは、平山さんとパンの歴史の話をしました。

紀元前8000年から7000年頃
チグリスユーフラテス川のあるメソポタミア文明で
雑草に紛れた野生の小麦を食べるようになる

紀元前6000年頃
粉にして水で溶いて焼いたガレットに似たものを食べるようになる。
ちなみに、今でも平山さんは小麦粉を溶いてバターを加えて焼くそうです。
クレープみたいに、美味しく食べられるとのこと。
この頃は、無発酵パンです。

紀元前3000年頃
偶然、野生酵母が入って発酵する。
平山さん曰く、「例えば、朝パンを捏ねたはいいが、忙しくて放っておいたら、空気中にある浮遊菌や、小麦についていた菌によっての発酵では」とのこと。
ワインの発酵の発見と同じではないかということです。
この頃のパンは、命の源とも言われ、ツタンカーメンの墓からも発見されています。

エジプトでは、給料の代わりにパンを配給することもあり、お金と同じように扱われました。日本で言う年貢と同じ扱いです。
現在でも、ヨーロッパでは、パンの価格は保護されており、特にフランスでは、バケット1本に付き1ユーロの給付金が出るので、一般の人々は安く買うことができるとのこと。

ギリシャ時代に粉を細かくする技術が生まれ、ローマ時代には、パン職人の組合や工場、学校が誕生し、大量生産されます。パンを焼く石窯の誕生も、この頃です。

それがフランスに渡ると、修道院でキリストの布教と共に広がっていきます。

この頃から16世紀に至るまで、小麦のグルテンが少なく、パンはペタッとした形をしていました。それは、クープというボリュームが出た証がないので分かります。
そこから小麦の品種改良が行われ、グルテンを多く含み、膨らんだパンが作られるようになっていきます。

フランス王朝時代には、上流階級は白いパンを、一般庶民は黒いパンを食べていたとのこと。
これは、上流階級が 胚乳だけ小麦粉を使い、イーストのようなもので発酵させていたのに対し、一般庶民は、全粒粉を使い、自家製の酵母を使っていたためではないかとのことです。そのパンは、黒くて、ザラザラして、ちょっと酸っぱかっただろうと想像できます。

マリー・アントワネットは、バターを使ったリッチ系のクロワッサンを食べたという話もあります。

日本へは、1842年、鉄砲と共に伝来しました。
それが鎖国政策で一旦廃れ、江戸時代末期に外国の侵略に備える兵糧として復活します。
このパンは、硬くてリング状になって、げんこつパンなどと言われていました。
平山さん曰く、パンはしっかり乾燥させるとかなり日持ちするそうです。
それをスープなどに浸して、ふやかして食べたのではとのこと。

パンが一般的になるのは、明治に入り、木村安兵衛が酒種を使った生地で、
あんを包み焼き上げる「桜あんぱん」になってからです。

さあ、来週もパンの話をしますよ。