番組紹介

放送時間: (土) 11:30-11:55
出演者:

こはまもとこ
香月千鶴(FM福岡)
ちん。(ラジゴン水担当)

提供:サウンドピュアディオ

毎週多彩なゲスト(ミュージシャン/映画監督/俳優/文化人 etc.)を迎えて、音楽トークを中心に展開する25分番組。「音」を「楽しむ」と書く「音楽」をゲストと一緒に紐解くことで、より深く、広く、音を楽しむことができるハズ。そんな音楽にまつわる私たちの知的好奇心を刺激する番組です。
メールのあて先は、 oto@fmfukuoka.jp まで。

SOUND PUREDIO presents 音解 これからの放送予定

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◆今後のラインナップ        

                
3月23月  SEKAI NO OWARI
3月30月  SEKAI NO OWARI
4月  6日  大西順子
(予定) 長澤知之

     

放送予定は諸般の事情により予告なく変更する場合もございます。予めご了承ください。
☆この後も続々注目のアーティストが登場。これからもどうぞご期待くださいね!

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストはSEKAI NO OWARIのみなさんです。 #SEKAINOOWARI

Fukaseさん、Saoriさん、Nakajinさん、DJ LOVEさんからなるSEKAI NO OWARI。
今年2月に、大ヒットアルバム「Tree」以来実に4年ぶりとなるニューアルバム、しかも「Eye」と「Lip」という2つのアルバムを発表して話題です。

このアルバムのプロモーションでハードな中、疲れも見せずSEKAI NO OWARIの今を伝るべく、貴重なお話もたくさん聞かせてくれました。

まずはドライビングミュージックを1曲選んでもらいました。

興味津々のその曲は、Cupsuleの「Starry sky」です。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


「僕、NakajinとLOVEさんで決めたんですけど。でもこの曲は結構メンバー四人とも思い出があると思うんです。僕たちがデビュー前に音楽作りながらライブハウスを手作りしてたんですけど。たまに休憩がてら工場地帯の方をドライブしたりっていうことがあったんですけど、そういうところですね。この曲を流しながらみんなでドライブしたなっていう思い出がすごくあるので、すごくお気に入りの曲です」

SEKAI NO OWARIの原点でもある印刷工場だった場所を自分たちで改造して作り上げたライブハウス。そのBGMのひとつがこの曲だったのですね。

常に行動をともにしていたみなさんにとってその時々の思い出の曲はたくさんありそう。

NakajinさんとSaoriさんが口を揃えました。「そうですね、めちゃくちゃあります」「共通の曲はたくさんありますね」。

とりわけ今回のCupsuleはサウンド的にも共通点もありそうです。それについてはFukaseさんが答えてくれました。

「シンセサイザーを僕らも使っているので、 最初聞いたときはすごくいいなと思っていてこの『Sugarless GiRL』ってアルバムをよく聴いていて、なんかすごいなって思ってましたよね」

このアルバム2007年の発売ですからまさに「世界の終わり(当時)」が結成した年でもあり、非常に印象深いですね。

「僕たちバンドだけどドラマーとベーシストがいないバンドなので、打ち込みの音ってどうやったらクオリティ高くできるだろうとか思ってすごい日々研究してたので、こういうのを聞いて、どうやったらここに近づけられるだろうなんて研究を日々やってた思い出がありますね」

ある意味、原点の曲。なのかもしれません。



そんなSEKAI NO OWARIのニューアルバムが「Eye」と「Lip」。
それぞれキャラクターの異なる楽曲が13曲づつ収められた2枚のアルバムが同時発売されました。

4年ぶりなのですが、その間シングルや色々な活動もあり、あまりそんなに間が開いていたようにも感じません。

「割と4年も経ってしまったというしまったって感じですねえ」
「忙しくはしてて、シングルもいくつか出させてもらってましたからね」

その上で、今回久しぶりにアルバムを出して、いきなり2枚同時の発売というあたりは一番聞きたいところですが、ここはFukaseさんがしっかりと説明してくれました。

「本当に4年間シングル曲は出していて、それを集めるだけでひとつのアルバムになっちゃうぐらいは出させていただいてたんですけど。

ただ(それで一枚のアルバムにすると)なんか自分たちの片側しか表現できていない感じがして、それこそアルバムだから作れる楽曲こそが、俺たちが今作ってない楽曲なんじゃないかなと思いまして。「Eye」は新曲がすごく多くて「Lip」はシングル曲が多いんですけども、なんかそういったことはあったかなあって気はします。アルバムだからって言ってできた曲ってのは正直すごい多いと思いますね」

今回のアルバムでは、従来から実はあった多面的な表情をきちんと表現したいという思いが一つのきっかけになっているようです。

「自分たちの中にある、例えば『Rain』って曲を題材にすると、 歌もので綺麗な言葉で綺麗な曲になっているんですけれども、カップリングで『スターゲイザー』という曲がありまして、『Rain』を作った反動のようにできていったと言うか。呼吸をするように酸素を吸って二酸化炭素が出て行くように、『Rain』が自分の中に入ってきて『スターゲイザー』として出てしまうみたいな、そういうシングルだったんですけど、これは同じアルバムに入らないほうがいいなって思ったんですね。

あと『ANTI-HERO』と『サザンカ』(というシングル)もそうですね。これもおんなじアルバムに入っているイメージがどうしてもつかなくって、じゃあ受け皿が2個あった方が健康的なんじゃないかなと。例えばアルバム1枚に、曲を減らして新しい曲を増やして一枚にするって、何かうまくまとめようとしちゃう感じが僕にはして、それがどうしても嫌で。もっと自由に自分たちの表現をしたいって思った時、それには最低2個は受け皿が必要だったということですね

なるほど、納得です。

とはいえそうなると、新曲もたくさんつくることになるわけで楽曲はもちろん、SEKAI NO OWARIのほとんどの楽曲のアレンジを担当しているNakajinさんは大変だったのでは?

するとNakajinさん、即「大変でした!」と笑いながら一言。
「今回、新録の曲を14曲作ったんですけど14曲つくるのかー!って 作業すると途方もない気持ちになっちゃうんで、とりあえず目の前の曲。目の前の曲とやり続けて進んだって感じでした(笑)」

そんな、Nakajinさんが大忙しの時、みなさんはどうされていたんですか?

「(Fukaseさん)でもまあ、みんなそれぞれバタバタしてましたね。僕作詞作曲は多いほうなので、楽曲を作ったり、楽器を色んな所に試奏しに行って。なんていうんでしょう料理でいえば食材を探す作業とかをしてましたね」

「でも、ラブさんはおだやかに」
「ええ、僕はおだやかに」

こういった時のムードメイカーはDJ LOVEさん。LOVEさんは何をしていたんですか?

「そうですねえ。僕は一番忙しかったのはSaoriさんの子供を寝かしつけるのに(笑) 」
「はい、今1歳になって」

Saoriさんも今やお母さんなんですね。
どうやらレコーディング中もお子さんは、メンバーのアイドル的存在として活躍していたようですよ。

「(Fukaseさん)それは僕がお願いしたんです。佳境に入ってくるとピリピリしてくるじゃないですか。時間もないところに、もう舞い降りる天使でしたね。HPがゼロになったところにピューって(笑) 」

5人目のメンバーとして活躍してたみたいです。

「ぜひインタビューにもキてほしかったですね。
寡黙ですしマイク、めっちゃ触ると思います(笑)」

「口にも入れると思います(Saoriさん)」

全員、思わずホッコリ。このお話になるとみなさん急に和みます。
そういうこともあって、レコーディングは穏やかに進められたそうですね。

「そうですね。なんか休憩時間の濃度があまりに濃くて。かわいい。」

さて、話を戻して。
このアルバムは独立した2枚のアルバム、ダークな「Eye」とポップな「Lip」と紹介されることも多いのですが、単純にそうとも言えない相関関係にあるアルバムのようにも思いました。

例えば、両アルバムの4曲目に収められている「夜桜」と「向日葵」は実はメジャーとマイナー調にアレンジされている同じメロディ。そんな仕掛けもあって、同じ根っこの2つの表情くらいのアルバムのようにも思えます。

新曲もたっぷりで新たにこのアルバムのために書き下ろされた曲もあるせいか、肩の力が抜けて非常に風通しのいい2つのアルバムとも言えそうです。

いい感じに肩の力は抜けてると思いますね。緊張感も適度というかピリピリしすぎず、いい感じだったなあとすごく思いますね。曲数いっぱいあって、曲を作るメンバーが3人いてそれぞれ作るわけですけど、それぞれの個性も尊重しあえたというか。個性がすごく出た曲が集まったと思いますね」

こうやってお話を聞き進めると、今回のアルバムが2枚なのは必然だと思います。
新曲もどれも今までのSEKAI NO OWARIでは聞くことの出来ないタイプの楽曲もあったりして、アルバムの新鮮なイメージに大きく寄与しているようにも思います。

「なにしろ結構曲数があるから、こういうのがあってもいいだろう。みたいな振り切るというか、なんか中途半端にすることがもったいないなと思ったんですね。こういう対の2枚があるから、どっちかに行くなら行く、って中途半端にせずに行ききっちゃった方がいいよねっていうのは結構ありましたね」

Fukaseさんの次の言葉が今回のアルバムを象徴的に示しているように思います。

「エンターテイナーになりたいみたいな感じでずーっと来てたんですけど、このアルバムでなんかこうミュージシャンであるってことに戻ってきたのかなあって自分でも思いますね」

そんな久しぶりでもあり、新境地をまた開いたみなさんの今回のライブも期待が高まります。


LIVE TOUR 2019 「The Colors」

広島県・広島グリーンアリーナ 
2019年5月3日(金・祝) OPEN 17:00 / START 18:00 
2019年5月4日(土・祝)OPEN 16:00 / START 17:00

福岡県・マリンメッセ福岡
2019年6月1日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
2019年6月2日(日)OPEN 16:00 / START 17:00

※詳しくは SEKAI NO OWARI 公式サイトでご確認を



「今まではストーリー仕立てでステージに大きな木があったりとか、そういう有機的なものを表現することが多かったんですが、今回のツアーはちょっと無機質なものになっていて、冷たい印象を受けるかなと思っています。 もちろん『おおっ』ていうものもあるんですが、それがすごく体温のない。アルバムが逆に体温のあるアルバムが出来たから、ステージは極限まで体温を減らしたものにしようと思っています。その対比にもちろん意味があるんですけど、アルバムに反して体温を抜くというようなライブになりますよ」

全く想像がつかないのですが、今までとは全く違うステージになることは間違いないようです。

そんなあたりで今回は時間切れ。
まだまだ聞かせてほしいことはたくさんありますから、来週も引き続きSEKAI NO OWARIのみなさんをお迎えして、さらにその音世界を深く紐解いてみたいと思います。

どうぞ、お楽しみに。

  

SEKAI NO OWARI オフィシャルサイト (外部リンク)

次週、3月30日は引き続き SEKAI NO OWARI をお迎えします。どうぞお楽しみに。

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストは先週に引き続き押尾コータローさんです。 #押尾コータロー

先週は2月20日にリリースされた、ソロ名義として2年3ヶ月ぶりとなるオリジナル・フルアルバム、「出会い」で紡がれた『Encounter』について楽しいお話を合間合間に押尾さんの実際にギターを演奏しながらお送りしました。

今週はアルバムから一曲をピックアップしてそこから押尾コータローの音世界を紐解いていきます。

さらに押尾サウンドの秘密を、押尾コータローさん自ら解説するギターミニミニ講座に生演奏も!
今回はぜひタイムフリーでそんな演奏も聞きながら合わせてお楽しみ下さい!

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


今日はいつものドライビングミュージックも押尾コータローさんのナンバーから。
『Encounter』から風を運んで来てくれるような軽快で爽やかなナンバー「teardrop」です。

ここでは押尾さんの車好きとカーオーディオのお話を聞くことができました。

「考えてみるとドライビングミュージックなんですよね、僕の音楽って。すごく車で聞くのが好きで。サウンドチェックもカーステレオで聞くんですよね。車に乗るとエンジン音だったりとかいろんな音の中で聞きながら、それを考慮した上での低音の再現度とかをもうちょっと低音あげた方がいいかなとか。

そうですね。僕は車が好きなもんで『ああ気持ちいいな』って音を届けたいんですね。 もし電車好きだったならきっとヘッドフォンで考えたかもしれないですね。

車って大音量出せるんですよ。家で大音量出すと『すみません、時間も時間なんで』って苦情が来たりしますよね(笑)。割と車は許されたりしますんで、だからカーオーディオに凝ったりする方多いんだと思うんですよね。

ツイーター1個入れただけで世界観変わっちゃいますしね。音量を気にせずに割とかけたりするのはホントいいですね」

予想以上に車愛、カーオーディオ愛が聞けてしまいましたね。


さて、今日はアルバム『Encounter』から、押尾さん自ら1曲ピックアップしてじっくりその音の秘密を紐解いていただこうと思います。

押尾コータローさんの熱心なファンならずとも、あのサウンドはどう弾いているんだろう、弾いてみたい!という方も多いでしょう。

こはまさんが『「あのキラーン!」って音とか』というと、すかさず押尾さんが『これね』といってハーモニクスを披露。

そう。今日の解説は押尾コータローさんの実演付き!聞き逃がせませんよ。

選んでいただいた楽曲は「Cyborg」です。

「未来との出会いというか、いつかサイボーグと一緒に共存するかもしれない、実際もうすでにも共存してたりしますよね。

まあ我々最近、ロボットというともっと 無機質なものかなと思ったら、案外テレビとかで見ると顔の表情が、笑顔が作れますとか、すごいな、もうロボットと思えないって。近いうちに本当に人型のアンドロイでってかロボットができるんだろうなと思うんですけどね。

僕の作った曲のサイボーグは、一昔前の昭和の頃のカクカクっとした『ワレワレハ』って喋るようなそういうサイボーグですね。 無機質なかんじをアコースティックギターで表現したいと思ったんですね」

音がマットな感じというか無機質な感じがそういうことなのかなと思います。

「ミュート(音を響かせずに止める)なんていうテクニックも使っていますね」

それでは具体的にこの曲のポイントを教えて下さい。
そう言うと、押尾さん少し座り直してテンションが上りました。ここからは「押尾コータローのギター講座」の始まりです。

まずはチューニングですね!(ポロロン)
まずはギターのチューニング(調律)が違うんですね。 どういうチューニングかって言うと、チューニングに名前がついているんですけど『DADGAD』っていう名前がついています。『ダドガド』って言われています。 これギターの一番太い6弦が「D」なんですね」

通常は「E」ですもんね。

「よくご存知ですね。で、5弦がA、4弦がD、3弦がG、2弦がA、1弦がD。これを続けて読むと『DADGAD』になるわけです(通常の調律はE-A-D-G-B-E)。要するに6弦と2弦と1弦を1音下げるわけです。するとどうなるかというとこういうチューニングになります」

実際に弾いてみせてくれます。

まずこのチューニングにするところから始まるわけです。すると12フレット、7フレット、5フレット、4フレット、チューニングで普通のチューニングよりも綺麗なハーモニクス(倍音)が出るんですけど、まずはDADGAGにチューニングする勇気が大事ですね。

チューニング変えるのめんどくさい!って思うかもしれないけど、これをしないと押尾サウンドは始まらない(笑)」

するとこはまさん「そういうことなんですよね!押尾さんはオープンチューニング(開放弦の状態で鳴らした時に特定のコードが鳴るように調律する方法)ですから、この場合はDADGADっていうチューニングでやるってことですよね」と早くも優秀な生徒さんのよう。

うれしそうに微笑んで押尾さん「アボカドじゃないですよ」。


「そしてタッピングです」
次のステップ。

「今回イントロでやっているのが、ちょっとコンピューター的な『ピッピピーピー』みたいな感じの音ですが、あれは人差し指でこうやって4弦の12フレットを指で叩いている、これに左手で2弦の5フレットを押さえて交互に叩いてこれを無機質に叩いているとなんかこう感じがでますね」

その実演を見ていたこはまさん、思わず「押尾さん速いんですよ。練習すればするほど早くなっていくもんなんですね」とひとこと。

「はい。だれでも出来ますから。右手と左手のコンビネーションですね。ファミコンのコントローラーと同じ感じ。あれができたら大丈夫です(笑)」

と笑ってから、いよいよ押尾サウンドの真髄、あの1本のギターからいくつものパーカッシブな音が鳴る、その奏法を解説してくれました。

「右手でボディを叩いたりしますんで。手のひらの手首に近いところでボディを叩きながら弦を弾くんです。手のひらでボディを叩きつつ、中指と薬指を握り込んで弦を叩くと... (弾いてみせる)」

そうやると同時に音が出るわけですね。

「あわせて左手も弦を叩くんですね。右手左手右手左手と交互に... まそんな手順で、ドラムライクなベースサウンドドラムみたいなね」

あの押尾サウンドが眼の前で実演付きで!
リズムの表現がほんと幅広いです。

元々バンドでベースをやられていたことも大きいんですか?

「はい。確かにそれは大きいですよね。 ベースのスラッピング(パーカッシブな奏法)から得たものは大きいと思いますね」

押尾さんのあのギターはベース経験が生きているんですねえ。

そうやって私達が、押尾さんのギター演奏をパッと聞いた時にギ、ター一本でどうやってるんだろう?こんなのできないよって思うことが、こうやってキチンとひとつひとつ練習していって、右手左手それぞれのことを一つづつやっていけばできるようになるんですね。

「できるようになるんですよ。すごく楽しいんですよ、これができると。だからコレがわかった人はハマっていきますね。押尾コータローのギターでね」

さらにマットな音の低音というか、この「Cyborg」という曲では高音の優しい音もあるじゃないですか。そこの切り替えというのも印象深いですね。

「そうですね。緩急つけるあたりは日本的な感じもしますよね」

そんなふうに詳しく音の秘密を聞かせていただいて、それでは実際に「Cyborg」を聞いてみましょうとなるのですが、本日はなんと押尾コータローさんが目の前で演奏してくれました!

その演奏の素晴らしいこと。
こはまさんも「すごい!やっぱり目の前で見るとホントにすごすぎて」と感激です。これはぜひライブで見ていただきたいですね。

今回の『Encounter』はそんなアグレッシブなナンバーとともに美しいメロディの『FLOWER』なども収められています。

そんなナンバーでも同時に多彩なリズムで楽しませてくれます。しかもその間もメロディーはもちろん決して途切れることはない。やっぱり同時にメロディとリズムがそれぞれ同時に美しく刻まれることに、改めて驚かされます。

「バランスなんですね。やっぱり歌ありきなんですよね。ギターで歌ってる感じなんですよね」

そう言って、ギターを抱えて笑顔の押尾さんのギター講座もおしまい。
本当に濃密で、そして押尾さんの言葉とギターで語られる押尾サウンドの秘密の一端。とても充実した今回の音解でしたね。

今回のツアー。そんな知識を頭に蓄えて、改めて目の前で堪能したいと思います。

押尾コータローコンサートツアー2019"Encounter"

2019年03月23日(土)
ももちパレス

開場17:30 開演18:00

2019年04月05日(金)
広島CLUB QUATTRO

開場18:00 開演18:30

ツアーではいろんな会場で追っかけてくれるファンも少なくないようです。

「うれしいですね。もう本当になんか好きな人は一箇所だけだと思ったんだけどね。次も行きます!とか言ってる人も中にはいたりして、ほんと嬉しいですね。

今回は『Encounter』からの曲もやりますので、『Encounter』を聴き込んでもらえばより楽しんでいただけると思いますが、とはいえ『ライブ行ってからCD買う』って人がですね、なんの前知識なく来ていただいても納得行くライブしますんで(笑)ぜひ来て下さい。

2週間ほんとにありがとうございました。

みなさんも楽しんでいたけましたか?
今週は特にタイムフリーでもう一度ぜひ聞いてくださいね。念の為。

  

押尾コータロー オフィシャルサイト (外部リンク)

次週、3月23日は SEKAI NO OWARI をお迎えします。どうぞお楽しみに。


毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストは押尾コータローさん。 #押尾コータロー

2002年ソロギタリストとしてメジャーデビューし、同年全米メジャーデビュー。
以降、オープンチューニングやタッピング奏法などを駆使した独創的なプレイは国内外を問わず熱狂的な支持を受け続けています。

そんなスーパーギタリストが選んだドライビングミュージックは、70年代後半の歌謡曲から選びたいとなんとゴダイゴの「モンキー・マジック」。

「我々の世代は70代後半の音楽って結構盛り上がるんですよねえ」
ギターを抱えた永遠のギター小僧は眼の前で満面の笑顔。

この日は若き押尾コータロー少年の思い出から始まりました。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


「ちょうど10代の頃。 一番ラジオとか聞いてカセットに録音してた頃ですから。とはいえこのゴダイゴは初めて買った LP ですね。

その『西遊記』。堺正章さん、西田敏行さん、岸部シローさん、それに夏目雅子さんが出てて超豪華なメンバーの『西遊記』なんですけども。なんかね、すごくコミカルな面白い番組なのにちょっと外国人ぽいサウンドが入っていてそれがこのゴダイゴなんですよ。最初外国の人なのかな?と思ってて、英語で歌ってるし。そこが魅力でしたね

で、エンディングの『ガンダーラ』は日本語で歌ってて、日本語で歌ってる感じがかっこいいんですよ。 『日本語でも歌ってあげるよ』みたいな感じがかっこいい~みたいな(笑)。英語のほうが得意なのに日本語で歌ってくれたみたいなプレミア感がありましたね。 勝手にそういうふうに思い込んでいましたけど(笑)」

楽しそうに話す押尾さん。
同じ世代の方なら共感できそうな。そしてそんな思い出と一緒にこの曲、ドライブが楽しくなりそうです。

「最近はリマスタリングって言って今の時代にあったマスタリングって作業があるんですが、あの頃は持ち上げきれなかった部分の音量を太くもちあげるっていう。またそれを今カーステで聞くっていうと、すごくいいんですよね」


そんな少年時代から幾年月。

様々な出会いを重ねて今や押しも押されぬ世界のアコースティックギタリストとなった押尾コータローさんは2月20日に、ソロ名義として2年3ヶ月ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Encounter』をリリースしました。

今回のテーマはズバリ「出会い」。『Encounter=様々な人、事、モノとの出会い』から生まれた14曲が収められています。

「2年3ヶ月ぶりって随分開いているなって感じがするんですけど、僕はこの前にですねDEPAPEPEっていうギターデュオと『DEPAPEKO』っていうふざけたユニット名でアルバムを出したんです。だから結構アルバム出してるんですけどね。」

DEPAPEKOではPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」もカバーされていました。

「そそそ、あれがキッカケなんですけどね。DEPAPEPEがバレンタインコンサートするからゲストに出て下さいって言われて、DEPAPEPEのゲストってあんまりゲスト感ないなって思いつつ、向こうも、そんなにゲスト感ないまま呼ばれて(笑)あのふたりとも長いんですよ。

で、『チョコレイトディスコ』をね、三浦(三浦拓也)がこうやって(イントロの部分を実際に弾く)、徳ちゃん(徳岡慶也)がDEPAPEPEの中でメロディをやってるんで、じゃあ俺が伴奏的な(ボディを叩く)こうやったらうまくいくんじゃないかなと思ってアレンジして持っていったらそれがうまく行ってですね」

そんなDEPAPEPEとの楽しい共同作業を重ねている最中から、すでに今回のアルバムの準備は始まっていたそうです。

「アルバムを作りながら『じゃあ押尾さん次のソロアルバムもお願いします』って。だからDEPAPEKOのレコーディングしながら次のアルバムも考えてたんです。そうやって思うと『2年3ヶ月ぶりいやあ待たせましたね』って、ずっと作っとったわアルバム!みたいな感じなんですけどね(笑)」

笑顔でそんな話をしながらも時折抱えたギターをポロンポロンと爪弾く押尾さん。
いつも片時も手放さないギター。そんなギターがつないできた出会いがこのアルバムには詰まっています。

平昌オリンピックの開閉会式式典の音楽監督を努めた梁邦彦さんとの出会いも「久音 -KUON- feat. 梁 邦彦 ~ジョンソンアリラン変奏曲~」として収められています。

「梁邦彦さんとの出会いがあって韓国の有名な『アリラン』という曲をもっと韓国でも盛り上げたいと。古き良きいい曲っていうのを若い人たちは聞かなくなったっていう、日本でもそうじゃないですか。やっぱいい曲は伝えていかないといけないっていわれて。

『アリラン知ってますよ!アーリラン♪って、日本でも有名ですよ』っていったら『ジョンソン・アリランをやってほしい』と言われて、ジョンソンってだれなんですか?ジョンソンが歌ってんのかなと思ったら、地方のアリランっていうのがあって、それをやってほしいと。

聞くとメロディがちょっと違うんですよ。(一節歌う)メロディがマイナーなんですよね。でま、それはいいとして。そんな有名な曲を日本人が勝手にアレンジしていいのかっていう緊張感があって、それを梁さんに聞くと、とにかく色んなアレンジをされてて梁さんのアルバムにはロックバージョンとかちょっとEDMバージョンがあったり。それに勇気づけられて、あ、押尾もなんかこうギター小僧が喜ぶようなアレンジしてテクニック満載のアリランで興味のない地元の韓国の若い子たちが、押尾の曲で『あ、アリランていい曲やな』ていうアレンジにしたんですよね。

まそんな出会いもあったりしてですね、その曲では梁邦彦さんにも実際ピアノで入ってもらって。なかなかかっこいいアリランが出来たなって思って」


同じくプレイヤーとしての出会いとして忘れられないという、クラシックギタリスト朴葵姫(パク・キュヒ)さんに提供した曲「Harmonia」のセルフカバーも収められています。

「朴さんがね、僕のことを随分前から知ってたらしくて、押尾コータローをネットで見つけてくれていたらしいんですね。押尾コータローいいなってクラシックの方がね。で、曲を作って欲しいって。僕、鉄弦ですよ。向こうはクラシックギターのナイロン弦でもうめちゃくちゃ可憐で素晴らしいテクニックの持ち主でしかも綺麗な方なんですよね。そんな方にお願いされて、じゃあ朴さんが弾いててうっとりするような曲を作ろうと思ってタイトルも『Harmonia』てタイトルに。もう朴さんのために朴葵姫のために作った曲で、まさかそれをウチのディレクターがセルフカバーしましょうよって。いやそれは俺が弾くって前提で作ってないんだけどって」

ジャンルもギターの種類も異なる方の楽曲を作るっていうのは、実際どういうことを思って作るのか興味がありますね。

「だから、自分は弾かないって思って作ったんですね。彼女が弾くから良いんだって思って作って。だからそこで苦しみましたけどね。でもまあ、時間が経つとそんなカバーもアリかなって思いながら。ただちょっとテクニックがすっごい難しいんですよ。ハーモニクスが(実際に弾いてみせる)コレちょっとわかりにくいと思うんですが。だから朴さんには『とてもかわいらしい曲なんですけど、演奏方法がかわいくないんです』て言われた曲です(笑)」

とても綺麗でしなやかな曲ですよね。 機会があればぜひ朴葵姫さんの『Harmonia』も聞いてほしいですね。


もうひとつ、こはまさんがすごく好きだという一曲をあげたのですが、その曲は少年押尾コータローの憧れのアーティストとの夢の共演、「ナユタ feat. William Ackerman」です。

「僕はウィリアム・アッカーマン(William Ackerman)というギタリストが大好きなんですけど、この方はちょうど30年くらい前にウィンダム・ヒル・レコード(Windham Hill Records)っていうレーベルを立ち上げた創始者の方なんです。ちょうど同世代の人って言うとウィンダム・ヒルって聞いたことのある方多いと思うんですよね。『ニューエイジ・ミュージック』っていうジャンルを作られた方なんですね。当時はなんじゃそらって思ったんですけど、その後に『癒やし』とか『ヒーリング』っていうジャンルができたんですよ。その頃はまだなかったと思います。

そんなウィンダム・ヒル買いをしていた時期がありましたね。なんか最初はジャズレーベルのコーナーにあったのが、ウィンダム・ヒルのコーナーがついにできて。ちょうどレコードがCDに移行する間の頃だったんで両方ありましたね」

押尾さんよく聞いてたんですね。

「いやあだから『今日はどのウィンダム・ヒル買おうかな』って買い方で 『ハンマード・ダルシマーってなんだろうこの楽器は』ってわからずに買って、でもハズレなしですね。どれもウィンダム・ヒルテイストのちょっと広がった空間で」

そしてウィリアム・アッカーマンさんと出会ったわけですね。

「創始者ですけどね。ギターも素晴らしくてですね。
そんなアッカーマンさんが来日して奈良の春日大社の奉納演奏をするというので一緒にできるギタリストはいないかって時に、押尾コータローさんどうですか?って言われて。願ったり叶ったりで『ええっ!僕高校生の時から好きですよ』って。それがご縁でBillboard大坂とBillboard大阪でやらせていただいて、二人でね。

その時『ナユタ』をね。ちょっと東洋的なメロディですからね。(ここで弾く)東洋的な音階で『この曲はいい曲だね』ってアッカーマンさんが言ってくださって、じゃあこの曲ライブで一緒にやりませんか?って言って、おうじゃあやってみようかって言って。それでやらせてもらって、もうそれだけで十分なんですけど、これレコーディング出来たらいいなって思ってて、でも言えない!...言えないなあって思ってたらアッカーマンさんのほうが『コレ録音しようか』言ってくださって。急遽スタジオ押さえて録音させてもらったのが今回入っているんです。ホント嬉しくて。高校生の頃から聞いていたアッカーマンさんと一緒にできたってのはね。僕も癒やされましたね。高校生の頃の押尾コータローくんに戻ってましたね


まさに出会い。今回の『Encounter』にはそんな出会いが収められ、また押尾さんのテクニック満載の曲をたくさん収められています。こはまさんは「最初の『大航海』 CD がスタートして始まった時に『うわーきた~』って思うわけですね。いろんな音が押尾さんの音だーって思ってやっぱりこのアルバム聴いてまた嬉しかったです」と少し興奮気味。

そんな出会いの思い出がいっぱいの今回のアルバム。きっとまた多くのギター少年少女がこの音を目指していくんでしょうね。

実際、押尾さんは最近ではソニックアカデミーでネットでのギター講座なども行っているんですね。

「最近は女性の方も『ギターやりたい』って方も多いんですよ。
『初めて楽器屋さんに行きました』って人もね 。押尾コータローは難しい!オープンチューニングでわかんない、もう弾けない。そんな事ないよ!ってところから紐解いてやってるんですよ。結構親切に。例えば通勤の間でもできる練習方法とか、右手でドンドンタッって叩く練習をまずは通勤中に練習しましょう。それをやった上で家に帰ったらギターに持ち替えてできるように。そんなレッスンをしてるんですよね」


押尾コータローコンサートツアー2019"Encounter"

2019年03月23日(土)
ももちパレス

開場17:30 開演18:00

2019年04月05日(金)
広島CLUB QUATTRO

開場18:00 開演18:30


今回のツアーはギター1本で多彩な音世界を繰り広げられる押尾コータローさんの魅力を、こだわりの音空間で存分に味わえるステージになりそうです。

「ギター1本なんですよね。でも、すごくサウンドにこだわってて生音もそうなんですけどスピーカーをね、いかに綺麗に音を出すかっていうスタッフがいてね。スタッフの愛を感じますね。スピーカーのチューニングをするシステムエンジニアってのがいたりしてね。サウンドエンジニアがミキサー卓をいじっている人が気持ちよくできるようにフォローするエンジニアがいたりとか。
あとうちの楽器まわりだとシールドケーブルを変えるとやっぱり音が違うとかね。もっと行くと良い電源を供給するとゼンゼン音が変わる。僕はギターから音を出しているけども、いかにそれを劣化させずに再生させるかっていうあたりをももちとCLUB QUATTROでも展開できるかと思います」

そんなところも楽しみですね。

「多少音が良くなくても人は感動するのかもしれないけど、でもどうやって音を作り込んでいくのかっていうのが楽しい、ほんと楽しみですよね」

その顔の本当に楽しそうなこと。

永遠のギター少年は、早くもステージの上に思いを馳せているのでした。

来週もそんな押尾さんの音世界をじっくり聞かせていただきますよ。お楽しみに。

  

 

押尾コータロー オフィシャルサイト (外部リンク)

次週、3月16日は 引き続き、押尾コータローさんをお迎えします。どうぞお楽しみに。

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手は香月千鶴です。

今回のゲストはフジファブリック、山内総一郎さん。 #フジファブリック

2004年に5人編成のグループとしてメジャーデビューしたフジファブリック。
2011年からは現在の3人編成で、一貫して唯一無二のメロディとサウンドで、今の日本のロックシーンに大きな影響を与え続けているグループです。

そんな山内さんはとりわけ、この番組が放送されている山口には一方ならぬ想いがあるよう。

最初のごあいさつはこんな感じ。

「こんにちはフジファブリックの山内総一郎です。
福岡は久しぶり、FM山口ではデビュー当時に『フジファブリックのGUCHIGUCHI言わせて』って5分番組を一年くらいやらせていただいて、そこから今年15周年なんですけども。形を変えてネットラジオになりまして今でも「フジファブリックのゆるゆるいかせて」という番組で続いているきっかけにもなったのはFM山口ですね。よろしくおねがいします」

今日は時々その頃の思い出も登場しつつ、平坦ではなかったこの15年の総決算とも言えるアルバムを通して今のフジファブリックの音世界を垣間見ることができました。


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まずは今日、ピックアップしてくれたドライビングミュージックはAndy Shaufの『The Magician』。70年代感あふれるゆったりしたピアノのストロークと少しサイケなサウンドと優しいボーカルが気持ちいいですね。

「いやあ、これは美しいですね。大好きですね。イントロから声出ちゃいますね『うぁっ』って(笑)
車運転しながらよく聞くんですよ。あんまり飛ばしたりしないでゴロゴロゴロゴロ転がしているようなおっそいおっそい運転なんですけど。そういう時に助けてくれるっていうか。 景色と共に染み入るような音楽なんで。あのぉ?好きですねぇ。」

そう言うと少し恥ずかしそうに笑う山内さんです。

「僕らいつもお世話なってるとあるCDショップの店員さんがいまして、その人がAndy Shaufさんのアルバムが出た時に『もう絶対好きだよ』って言って頂いたんですよ。カナダ出身のアーティストで、音にも余裕があるというか広い所で鳴っている大自然の音楽と言うか、狭い部屋で聞く音楽じゃないかもなって気がしますね。海の中道のあたりをゆっくりドライブしながらだとすごくいいような気がするんですよね。 僕は好きです、ドライビングミュージックとしてはドンピシャだと思います」

無邪気な表情で笑うその顔は、音楽ファンそのもの。


そんなフジファブリックは今年デビュー15周年、1月23日に、通算10枚目となるフルアルバム『F』をリリース。15周年に10枚目と節目が重なる年ですね。

泣ける名曲と話題の『手紙』のアルバムver.に加え、アニメ『3D彼女 リアルガール』のエンディングテーマ『破顔』や『AQUOS 2』のCMソングとしても注目された『恋するパスタ』など、全9曲が収録されています。

アルバムのコンセプトは?とたずねるとすかさず、

「最高傑作です(笑)」

最初から最高傑作を目標にアルバムは作られたそう。

「最高傑作をテーマに作り始めたのはファーストアルバム以来ですね。
ハードルは高いなと思ったんですけど、その分メンバーそれぞれの内にある気持ちや希望を掘っていく作業だったのでルーツが出てきたりとか、結果的になんて言うかほんっとに楽しいレコーディングになったので、音楽の基本ですかね、音楽を楽しく作って自分たちも満足する最高傑作が出来たなあって思います」

タイトルはシンプルに「F」。

「フジファブリックの頭文字でセルフタイトルのつもりです。
これが自分たちの全てですって言い切って良いようなアルバムにしようってことで、まずはタイトルから決めました。
最初に『手紙』って曲がまずあって、これがアルバムの核になるだろうと。 これを核にするのなら最高傑作にしないといけないということで、まずタイトルを決めよう!ってことですね」

アルバムは一曲目は言葉もメロディも削ぎ落としたシンプルで力強いナンバー「Walk On The Way」から始まります。  

「メロディの音数も多くないので、だいぶ端折ったというとアレですけど言葉も削りました」

そんな削りに削ったという作品は、いきなりグッと耳と心を掴まれて、気がつけば4分半あっという間に終わっているような濃密な一曲になりました。

「嬉しいですね。今回のアルバムは当初全曲に『F』から始まるサブタイトルを付けていたんです。これ裏テーマで、この曲の裏テーマというかサブタイトルは『フジファブリック』というタイトルだったんです」

そこには15年というバンドの歴史についての一方ならぬ思いがこもっていました。

「フジファブリックも2009年に志村くんが亡くなって。そこが大きなターニングポイントだったりしたんで。 それでもこうやって続けられてるっていうことに喜びもあり感謝をもってこの曲を書きましたね」

そうやって聞くと裏に表に随所に「F」が散りばめられたアルバムなんですね。

福岡も『F』ですし山口のフクも『F』ですし。こじつけは否めませんが(笑)」

そう言って山内さんニヤリ。さすが番組やっていただけあって山口への目配せも怠り無いですね!そこから少し当時の思い出を聞くことが出来ました。

「番組は『フジファブリックのGUCHIGUCHI言わせて』です!コイツらホントに喋れねえからってやらせていただいて、ディレクターの方にすごく指導頂いて。ラジオのスタジオに入っていてもシーンとしているという (笑)」

こわい!

「収録だったんですけど、あ、なんかいろいろ思い出してきました。スミマセン(笑)」
なんだか嬉しそうなんですけどね。

ともあれ、そんな色々な思いのこもった渾身の1曲めから、ぜひこの曲順を追って聞いてほしい素晴らしいアルバムです。


続いては、このアルバムからより深く音世界を紐解くべく、山内さんに一曲ピックアップしていただきました。


TVアニメ『3D彼女リアルガール』第2シーズンのエンディングテーマにもなった「破顔」です。

おだやかなメロディとリズムではじまりやがて壮大な風景が広がるような今回のアルバムでも、聞き所の多い一曲です。

「こだわりはもう細かいところを言えばいっぱいあるんですけど、この曲ではアメリカ製のギターとギターアンプに日本製の真空管とスロバキアさんの真空管といろいろ混ぜ合わせてレコーディングしました」

普段からいろいろ機材の組み合わせにこだわるんでしょうか?

「組み合わせますね。だいたいアメリカとイギリス産のやつがいいんですけど、ガッツがほしいときはロシア産のもの入れたりとかそういうのがあるんですよ。

もうひとつ、この曲は比較的オーソドックスなバンドサウンドというか、ドラム、ギター、ベース、キーボードみたいなところにストリングスが入っているんですけども、実はいろんな民族楽器も入っているんです。

1サビ終わりのところでは中国の阮(ルアン)という楽器を使っています。

中阮(チョンルアン)ってやつをつかってるんですが、これがなんか面白くて。『Feverman』って曲でも使ってるんですが、ギターやピアノとユニゾンさせることによってどこかの民謡っぽい音にはなるんですね。なんかアイリッシュな感じがしたりとか、大陸的な広いサウンドになるっていうのは生楽器の持つ音色の面白さだなといつも思って、いつもレコーディングではいろんなチャレンジをしています。それで、この曲ではルアンを使っています」

確かに独特なサウンド作りに一役買っているようにも思います。それにしても、そんな珍しい楽器、例えば今回の阮(ルアン)の場合はどうやって出会ったんですか。

「2018年に3日くらい空いたので海外でも行こうかなと思って、台湾に行ったんですね。その国独特の楽器をちょっと探したくてそこで見つけたんですね。四弦の楽器なんですけどベースとギターの間のレンジ感、音域ではあるんですけど、弾いた瞬間に『コレはほしい』って思って買って。そんな感じですかね。」

ということは山内さん自信で演奏されているんですね。

「そうですね。まあ マンドリンだバンジョーだ、そういうのが好きで。集めて持ってて、もう倉庫は大変なことになってますね

まー、一度観てみたいですぅ。

「僕も機材本なんか出してますのでよかったら観て下さい(笑)」

あっさり宣伝されてしまいました。
気を取り直して。

そもそも今回の楽曲を作るキッカケについて伺いました。

「色々ありまして。まずは、この曲がフジファブリックの最高傑作と言われるための幕開けにふさわしいんじゃないかと思って『幕開け担当』を作りたかったんですね。それで作った曲なんですが、作った最中に『3D彼 女 リアルガール』のエンディングの話もいただいて。『3D彼女』のストーリーも普遍性があって切ないお話なんですけど、遠くへ行ってしまった人への気持ちがすごく描かれているアニメ、マンガだったので、そこも自分が考えていることとリンクして、生まれた言葉だったりメロディですね」

切ないけれども後半未来へ開けていくような膨らみがありますね。

「そうです。それをなんとか表現したいと思って。やっぱり未来が暗いと思っていたくないじゃないですか。色んなことはありますけど、やっぱり明るくしていきたいなという希望をこの曲に込めて作りました」

さらに音の定位にもこだわりがありました。

「音の定位も真ん中に歌がいて、ドラムもいるんですけど左右にタムがいて、そのドラムの下にベースがいるようになっているので、特に車で聞くときには低音がグッとのびてくると思うので、気持ちいいかと思います。

手前味噌ですけど、いい曲できたなと嬉しくなりますね。人間は心配とかしてしまいますが、楽しく行きましょう。っていうそんな曲です(笑)」


フジファブリック LIVE TOUR 2019 FEVERMAN

広島公演 3月9日(土)『CLUB QUATTRO』
福岡公演 3月10日(日)『DRUM LOGOS』

※詳しくはフジファブリック Official Website (外部リンク)


「この『FEVERMAN』ってツアータイトルなんですが、15周年なんでお祭り的なアルバムの世界を表現する熱狂的なライブにしたいんです。15周年を振り返るような自分たちの軌跡というか足跡を聞いていただくためにもたくさん色んな曲をやっていくと思います。是非、足を運んでいただければ嬉しいです」

さらに、10月20日(日)には、大阪城ホールの『フジファブリック 15th anniversary
SPECIAL LIVE at 大阪城ホール2019 IN MY TOWN』
の開催も決定ですね。

「僕のふるさと大坂なんですけども15周年を記念してといいますかスペシャルなステージを。15周年続けられるってのは皆様へ感謝を伝えたいってライブでもありますし、それを今年1年やって行きたいんですけど、その集大成が大阪城ホールなんで、ぜひみなさんよろしくおねがいします!」


比較的訥々と喋る印象の山内さんですが、こと音楽の話になると流れるように楽しそうに饒舌に、いろんなお話をしてくれました。

今作と今のバンドの充実した状態について揺るぎない自信を持っていることが、伺えますね。

15年目のフジファブリック、注目していきたいです。

ありがとうございました。

  


フジファブリック Official Website (外部リンク)

次週、3月9日は 押尾コータローさんをお迎えします。どうぞお楽しみに。

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はちんです。

今回のゲストは先週に引き続きDEENの池森秀一さん。 #池森秀一

25周年を越えて今も新しい音楽を送り続けるDEEN。
そのプロフェッショナルの部分と、音楽ファンとしての一面について垣間見ることができて先週。

創作の刺激としてのタイアップやシングルなど、目からウロコの刺激的なお話を聞かせてくれました。さて、今週はどんなお話を聞かせていただけるのか。

まずは今週のドライビングミュージックは、DEENの『君が欲しい~Solo te quiero a ti.~』でスタートしました。この曲の雰囲気は?

「はい。スペインですね」

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今週はまずは間もなく発売されるニューアルバムについてお話をお聞きしました。

3月13日発売の「NEWJOURNEY」。新体制となってからははじめてのアルバムとなります。

『テイルズ オブ ザ レイズ フェアリーズ レクイエム』タイアップの先行シングル「ミライからの光」、そして『君が欲しい~Solo te quiero a ti.~』ももちろん収録。

今回は世界各国の音楽の要素を取り込んだ作品なんですね。

「皆さんを僕がパイロットになってね、 音楽を通じて世界帰国にお連れしますというテーマでアルバムを制作しました」

アルバムはプロローグとなる「Departure」ぞして「ミライからの光」からスタートします。

「『ミライからの光』はJ-pop。じゃあ日本からスタートしましょうってかんじで。
アルバム全体は音楽紀行ですね。10曲なんでもちろん全世界というわけにはいきませんけど」

日本からスタートした旅。
アルバムには世界各国の音楽を取り入れた楽曲が並んでいます。もちろんDEENお得意のラテンサウンドも。

「僕、ラテンの音楽ずっと好きだというところもあったりするので。今回はよりスパニッシュな感じで歌詞なんかもスペイン語で入れたり。そこから北欧に行ったり、アンデス行ったり、 カリフォルニア行ってニューヨーク行って ハワイも入行って沖縄も行って。そういう各国の風を感じるそんなアルバムを通して、みなさんが旅しているような気分になればいいかなと思って作りましたね」

今回の「旅」というコンセプトはどういうキッカケから出てきたんでしょう。

今年から二人体制になって、新しい旅というテーマもぴったりという意味もありますし、旅を紐解いていったら音楽紀行というところで。もちろん僕らも音楽ファンとしてカリフォルニアの音楽に影響を受けましたとか、各国の音楽大好きで聞くじゃないですか。それでああ、これっていいかもしれないがと思ったのがきっかけですかね。 すごくフレッシュな気持ちで作ることができました

25周年を節目に新しい体制となったDEENの、そんな門出でもあり、新たな音楽の旅を続けていくという決意表明のようでもある今回のアルバム。

ひとところに落ち着くのではなく、音楽的にも新たなチャレンジがたくさんあるアルバムでもあります。

さて、そんなDEENサウンドはどうやって生まれていくのか。
今回は一つの曲を題材に、池森さん自身に解き明かしていただきましょう。

楽曲はもちろんアルバムのキーとなるナンバーでもある「ミライからの光」です。まずは楽曲の作り方からです。

「僕の担当としては歌詞を書いて歌うことじゃないですか。山根がもちろんメロディを書く。
DEENは100%、メロディができてからアレンジメントや歌詞を書くという作業なんですね。
先週もお話ししましたけど、今回で言えばタイアップで曲が生まれていくという課程を紐解いていくと、まず今回の『レイズ』のストーリーや展開を見ながら、16ビートの曲じゃないな、じゃあ、これぐらいのテンポにしよう、そんなやりとりを山根やスタッフを交えて。で、最初に決まったのは、じゃあ少しテンポをゆっくりして頭サビを歌から始めてみようか。そこからテンポ上げてイントロ1がきて歌が始まるという流れがまずありました。
そんなふうにこの曲は、間違いなくゲームの持ってる色から僕らが感じて作り上げた作品なんですね

なるほど。メロディと歌詞をすり合わせながら作り上げる作業ではないんですね。

「まずメロディができてからですから、それはできないですね。
最初にキーワードだけたくさんのストーリーが書かれてたりしたものとか、すごくいい表現とか物語の中にたくさんあるんですね。『テイルズオブ』シリーズなんて深い物語じゃないですか。するとこの言葉使いたいなーとか、それらを要所要所頭の中にインプットしておいて、メロディが上がった時にその中から『ああ、これいいなあ』とか当ててみたりという作業ですね。メロディがありますので限られた字数になってきますけどね」

今回の楽曲では、メロディに寄り添いつつも物語世界と池森さんの思いが一体となって見事にDEENの音楽として成立しているように思います。

「そういう意味で言えば、『ミライから光がきて』ってすごくポジティブじゃないですか。やっぱり、ゲーム自体もそうですけど すべてポジティブになっていくために、すごくダークなものとか悪いものが出てきて戦わなきゃいけないということは、当然降りてくるじゃないですか。 『ミライからの光』ではその表現がひとつ解決できたかなと思いますね」

一方で、池森さんとしても作詞として新境地の表現も可能になったと言います。

「僕たちは君を守るとか地球を守りたいとか。そうは言ってるけど人間は一人で生まれて一人で死んでいくよねっていう部分の掘り下げ方も、初めて書きましたね。DEENの作品の中ではそういった表現や「消す」とか「死」というような表現も初めて使いましたね。」

通常の表現では無意識にも意識的にも避けていた表現や展開、そういったものにもあえて切り込むことができるのも、外部からの刺激があればこそということでしょうか。

作詞するにあたってはどこから手をつけていくんですか?

僕はまずキーワードが欲しいんですね。サビの入り口とかの言葉がピックアップされれば書きやすい。そこが出てこないとなかなか書きにくいタイプなんですね。 今回も『ミライから光がー♪』が浮かんだので割合書きやすく、テーマもはっきりしましたね」

楽曲としての「ミライからの光」は、ゲームのテーマらしいドラマチックで壮麗なイメージの楽曲ですが、その構成とアレンジが見事です。途中で異例なほどたっぷりとインスト部分があり、ストリングスと相まってラストへ向けての華麗な展開が素晴らしいです。こういった部分は二人で相談して作り上げるんでしょうか。

「これは最近一緒にやってる若いミュージシャンで侑音ってギタリストがいて、彼にいろんなアレンジお願いしてるんですけど、これがなかなか見事なアレンジするヤツなんですよ。当然アレンジするにあたって僕らが、こうしたいああしたいってオファーをした上でなんですが。それ以上のものは返ってきましたね」

と、ちょっとうれしそうにお話してくれました。
新しい才能を見つけた!ってかんじなんでしょうか。

「見つかりましたよ。また素晴らしいミュージシャンと出会えたなあって思っています」

これからDEENが20年、30年と続いていく中でまたこんな新しい出会いが続いていくんでしょうね。

「そう感じましたね。うん。彼らと接していると僕たちも若くいられる。彼らは彼らで、こういっちゃなんですけどねすごく勉強になるっていうか(笑)。彼らは僕らの音楽聞いてきた世代でもあるから。まだまだ一線ではないところで急にピックアップしたんで、彼なんかも『ええ、いきなりやるうんですか』って。そういうところがあったみたいなんで。こうしようああしようという中で、以前の作品はこうやって作ってきたんだよってな話をして、それは彼にとってすごく刺激的みたいで。でもね、彼はそれ以上のものが返ってきますから。マジリスペクトって感じです(笑)」

DEENを聞いてきた若い世代、それよりも下の若い世代。
そんな人達とも、お互いに刺激を受け合いながら時に師匠として仲間として、新しい音楽がまた生まれてくるのだろうと思いました。

そして、この楽曲のキモはもちろんヴォーカル。ここはヴォーカリスト池森秀一としても、詳しいところを聞かせてほしいところです。
そこで、この曲のポイントなどお尋ねしたんですが。

「この作品はサビがずーっと高いんで、カラオケで歌うときは気が抜けないですね(笑)ブレスの位置も2小節に一回。ブレスの位置を間違えると、最後の『今羽ばたくよ。Let it go!』にたどり着けないかもですね(笑)」

ちょい照れ隠しもあったのか、歌う場合のアドバイスをいただきました。これには思わず大笑い。でも参考にしたいところ。

そうやって改めて「ミライからの光」を聞くと、池森さんの解説した部分が際立って、やっぱりくっきりと輪郭が立ち上がるように違って聞こえます。いつものことながら面白いですね。

すると池森さん、突然「これは作品的には100点です(笑)」と満面の笑顔。「これ、DEENじゃなくて他のアーティストの作品として聞いたとしても音楽人として『おお良くできてんなあ』って思うポイントがいくつもあります」

そうして、今回のお話全体をまとめるように、全体を俯瞰して解説してくれました。

「いきなり歌から始まる。このまま続くかなと思いきやテンポアップして、弦も入る。どこに行くのかな?ってワクワクしてきて歌い出すと、ポーンと落ちてちょっとダークな言葉が飛び込んできます。

ブリッジ、サビにつなげるメロディとかもよくできてて、で2番に行く前のブリッジ。そこから2番から3Cに行くまでのなんとも言えない雰囲気。歌ってる最中、どうしても聞いている方は歌詞が飛び込んできて歌詞に耳が行くと思うんですよ。あ、前向きに生きるってことはこういうこともある、ああゆうこともある、だから前向きに生きなきゃいけない。そういったことをね。間奏の部分で自分の人生に置き換えて聞くことができるような意味でのあの長さ。あそこは見事ですよね」

お見事で!ありがとうございます。

そんな「ミライからの光」から始まる音楽の旅。ニューアルバム「NEWJOURNEY」3月13日の発売が待ち遠しいですね。

「これはまさにいい音で、サウンドピュアディオのセッティングでじっくり聞いてほしいですね。」

最後までサービスたっぷり。
そういうと笑顔の池森さんです。

2週に渡ってお届けしたDEENの音解。
長年に渡って第一線で活躍するアーティストが常にフレッシュでありつづける秘密と、その楽曲ができるまでの課程を聞くことができて大満足。

それらを、肩のこらない語り口で気を配りつつも、楽しそうにそして詳しくお話してくれる池森さん。一瞬、眼の前の方がDEENの池森さんであることを忘れそうになるくらい距離が近づいたような気がして、こちらも楽しく聞かせていただきました。

ちなみに池森さんが個人的に好きな国ってどこですか?
すると、こんな答えを返してくれました。

ほんっとミーハーですけどハワイが好きです。『Aloha』って曲も入ってますけど、ハワイの風を強く感じてもらえるようにアルバムバージョンはしかけてありますよ」

そういうとフッフッフとまた笑顔。
それは好奇心旺盛な音楽マニアの少年のようでもありました。

  

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次週、3月2日は フジファブリックをお迎えします。どうぞお楽しみに。


毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はちんです。

今回のゲストはDEENの池森秀一さん。 #池森秀一

昨年、デビュー25周年を迎えてあまたのヒット曲とともに総売上1500万枚。
常に第一線で作品を送り出し続けるDEENの音世界を今日は紐解いていきましょう。

前回同様に、にこやかに登場した池森さん。
物腰の柔らかさと、穏やかな語り口の中にもプロフェッショナルとしての視点と変わらぬ音楽ファンとしての一面が伺えて、今回もどんなお話が聞けるか楽しみです。

そんな池森さんがドライビングミュージックに選んでくれたのはペンタトニックス「Attention」。

今や世界中で人気を誇るテキサス州出身5人組アカペラグループによる、チャーリー・プースの大ヒット曲のカバーです。

「最近よく聞いてますね」

ペンタトニックスはYouTube時代の新しい才能ですが、新しい音楽には常にアンテナを張ってらっしゃいますね。

そうですね。観ますよいっぱい(笑)置いていかれちゃいかんですから」

今日はそんなリスナーとしての音楽通、池森秀一さんからスタートしました。


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「最近のアメリカの 音楽スタイルと言うか若い人たち、 ヒット曲をすぐカバーするんですよね。良い音楽に対するみんなでシェアするっていうのがすごい好きで。日本でももっと広がればいいな ってところもありながら。チャーリーブースのスタイルなり彼らならではの意外と難しいことやってないんですよね」

前回ゲストにお迎えしたときにもお聞きしましたが、池森秀一さん個人としてのベースにはブラックミュージックを中心に多様な音楽があり、それらを吸収した上で絶妙の距離感でDEENの音楽に反映されています。

近年では、昨年7月に配信で発表された3部作では、トロピカルハウス?ジャワイアンへと言った新しい音楽へのストレートなアプローチを披露して新境地を垣間見せてもくれました。


そんな池森さんが最近注目しているアーティストについても伺ってみました。
すると即答でこんな答えが。

ブライアン・カルバートソンていうキーボードニスト。この人の去年の『Funk!』っていうアルバムなんですが、 この人キャンディ・ダルファーがゴリゴリの ファンクやってる頃のアレンジやキーボーディストとして腕を奮ったプレイヤーで。自分ソロのアルバムはインストルメンタルなんですけど、歌もちょっとあってコーラスが入ったファンクアルバムでね、 今この時代にそれをやるんだ!という潔さがかっこいいんですよね」

いわゆるスムースジャズやフュージョンの世界ではトップの一人。だそうですが、ちん。はゼンゼン知らないよう。池森さんのアンテナの広さと鋭さを垣間見えた気がしますね。

そんな音にこだわる池森さんは、当番組を提供するサウンドピュアディオのカーオーディオを楽しんでいるんだそう。

「僕らいつでもスタジオで音作って、スタジオでフィードバックした音が常に耳に残っているから、どこで音楽聞くのも同じ状態で聴きたいんですよ

お話を聞くと、実はかなりのヘビーユーザーで原音に忠実な音作りへアドバイスなどもしてるなんてお話も聞きました。

「いえいえアドバイスというほどではないんですが、 とにかくスタジオの音のまま表現されるというところに惹かれて。車買って『動くスタジオを作ろう』と思いたってワンボックスカーを購入して、色々チューニングとかしてね。
まあ、僕は車好きなんで買ったらすぐ車に会いたいところじゃないですか?でも直接山口(サウンドピュアディオの拠点)に納車して。で山口で全部ガッツリやってもらって 全部仕上げて僕のところに来たと言う(笑)。 それぐらい音に惚れ込みましたね」

なんと、当番組とも浅からぬ縁のある池森さんでした。


さて、お話を戻して。
昨年、25周年イヤーを駆け抜けたDEEN。2月6日には47枚目のシングル『ミライからの光』をリリースしました。

メガヒットゲーム『テイルズ オブ』シリーズの最新作『テイルズ オブ ザ レイズ』のテーマソングでもある今作。シリーズ3作総てに楽曲提供しているのはDEENだけです。

数多くのアーティストがひしめく音楽の世界で、一つのグループが途切れること無く音楽活動を継続していくことの難しさと尊さをいつも感じます。


そんな中でDEENはシングル曲にこだわりがあり、さらにポイントポイントでタイアップ曲でのヒットが転機となることも多いイメージがあります。また、タイアップを非常にポジティブにクリエイティビティにつなげている印象があるのが特徴です。

「これは25年という活動の中ですけど、タイアップってすごくいい作品ををつくるにあたって重要なキーパーソンではありますね。自分たちで次はこういう楽曲を作ろうかっていうような作品ももちろんあるんですけど、タイアップって例えば今回はゲームですから、こういうストーリーなのでこういう歌詞を書きたくなる、であるとか、ここに合わせてこういう曲を作ろうっていう、タイアップだからこそ生まれるアイディアってたくさんあるんですよね。だからタイアップして曲を作るっていうのはすごく好きですね。

ストーリーを読まなかったら俺の中からこんな言葉は出てこないなとか。メロディしかりアレンジ然りで。ただ好きでやるだけじゃない何かがありますね。クリエイティブな作業においては非常に刺激的です」

他業種とのコラボであるタイアップはなにかとビジネス面で語られることは多いのは確かですが、DEENの音楽にとっては閉じた音楽にならないための、大切な刺激として捉えていることがよくわかります。非常に面白いし、DEENの音楽を考える上でとても貴重な発言かもしれませんね。


それでは今作『ミライからの光』ではどうだったんでしょうか。

「今回だと、ちょっと未来だとか、このテイルズシリーズで前回その僕たちがコラボした例えば『テイルズハーツ』とか『ディスティニー』とかもまた出てきたりしてとか、そういう再会みたいな。 結局このテイルズオブシリーズというのは、すごく簡単に言えば僕が地球を守るとか悪い奴から君を守るとか、ヒーローですね。男子はやっぱりグッとくるじゃないですか? そういう意味でも今回は完全に主人公の目線を意識して書いています」


またカップリングではいかにもDEEN節ともいえそうなラブソング「離さない君を、離れない僕は。」が収められています。

DEENの楽曲では「離れない/離さない」というモチーフの楽曲が多いような気もしますね。

「そうですねえ...まあ、「君と僕」という関係性は、ラブソングの基本ですしね」

さらに
「永遠の明日 テイルズ オブ ハーツ Version」「夢であるように パチスロ テイルズ オブ デスティニー Version」といった、作品もボーナストラックとして収録しています。

「これはゲームでかかっていたサイズだったりアレンジメントだったりしたバージョンの音源が今回はじめてCDに収録されます」

そんな今回も強力な一枚です。


スタジオでは実際に『ミライからの光』が流れていたのですが、ここで池森さんからサウンドへのこだわりも少し聞くことができました。

「我ながら『いい仕事してんな』とちょっと思ったりなんかして(笑)
今回 32bit、96kHzというハイレゾで録ったんですよ。出てますね良さが。結局音源にする際はCD ですからサンプリング周波数は44.1kHに圧縮されちゃうとおもうんですが、やっぱりハイレゾで録った音が音像、残像なんかがかなり残っていますね。かなり広いですね。これはぜひ音のいい環境で、井川さん(サウンドピュアディオ)の音で聞いて下さい(笑)」

簡単に言えば今回、人間の耳で捉えることのできる音以上までカバーするCDなどよりはるかに高音質な録音を行ったそうです。それがここで言うハイレゾリューション=ハイレゾレコーディング。しかしそのレコーディングにはマイクからレコーディング環境、ミキシング、マスタリングに至るまで総てが対応していなければなりません。

CDにする際は圧縮されてしまうので、その完全再現は望むべくもないのですが、それでも違いは明白。ということですね。

ぜひ、できる限り音の良い環境で聴いてみたいですね。

最後はやっぱりサウンドピュアディオの話になっちゃってましたけど「十数万円のセッティングでもスタジオの音になっていてすげえと思いました」なんて、笑顔でお話をしていた池森さん。とりわけサウンド作りにまつわるお話はグッと熱がこもって、本当にサウンドにまつわることに目がないんだなあ、なんて思いました。

ちなみに池森さんはいくらくらいのセッティングをされたのかお尋ねしたところ「僕のは100万くらいかけたんですけど」とのこと。それこそすげえ、ですね。

今週はここまで。
次週も池森秀一さんをお迎えして、さらにDEENの音世界を紐解いていきましょう。

どうぞお楽しみに!


  

DEEN OFFICIAL SITE (外部リンク)

次週、2月23日は引き続きDEEN、池森秀一さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手は香月千鶴です。

今回のゲストは日食なつこさん。 #日食なつこ

類まれなる歌声、聞くものの心に時に激しく時に優しく刺さる歌詞、表情豊かなピアノ、そんなシンガーソングライターとして登場した日食なつこさん、それはアルバムを重ねるごとに新たなサウンドと歌詞世界を取り込みつつ進化しています。

今もっとも注目されるシンガーソングライターのさらに進化する音世界を今回は紐解いて行きましょう。

そんな日食さんがドライビングミュージックに選んでくれたのはJudee Sillの『Solder of the Heart』です。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
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「ずっと前から気になっていたんですけど、聴けるタイミングがなくって、2年前ぐらいの春先に2泊3日の車を借りて宿も決めずに北海道の一人旅をしまして。そのドライブのはじめにですね CD をようやく買いまして、二泊三日帰りずっと車の中で流してたのがJudee Sillだったんです。その中でも気に入ってずっと聞いていたのがこの『Solder of the Heart』です。

他の曲は結構スローなんですけど、この曲だけグッとアップテンポになってくるのでやっぱりこの曲が回ってくると本当に春先の北海道の雪の感じが思い起こされるなあと、私のドライブミュージックになりましてございます」

日食さんの音楽世界にも通じますね。

「Judee Sillは自分でピアノも弾き、ギターも弾き、オーケストラの指揮もして、音楽の魔女のような方なので、本当にこの人のアルバム聴いてるとメチャメチャどうしてこれに10年前に出会ってなかったんだろうってすごい悔しい思いなることが多いので、そういう意味では後々ルーツになってくればいいなと思ってます」

そんな日食なつこさんは、先月9日に2ndフルアルバム『永久凍土』をリリースしました。

東北に生まれ、その風土に叩き上げられた日食さんの感性の、ここまでの総まとめのような作品となっています。

「今回は日食なつこ、活動10周年を密かに迎えるという。これはあえてこっそりとあんまり出さずに言ってるんですけど。その節目で出す作品っていうのはやっぱり自分の活動1年目から10年までの総括をしたいなと思いまして。
そんな時にやっぱり自分の中に一番芯としてあるものっていうのは、愛を込めて、何もない東北の荒涼とした土地なんですよね。
そんな土地でゼロからモノを作り出して、音楽を続けてこれたっていう、その雪国魂というものを一度ここで見せたいなと思いましたので、アルバムを真冬コンセプトで作りました。で、タイトルも冬らしく『永久凍土』という作品にさせていただいた形です」

『永久凍土』ってタイトルは文字面的にも強く過酷なイメージですが、中にはとても暖かい曲もあり、冬のいろいろな表情が描かれた13曲が収録されています。また、 今回のアルバム全体を通して色んな挑戦もしています。

「そうですね。 本当に今までやってこなかった構成な曲がたくさんあるのって例えば『タップダンスとなつこだけ』とか『バイオリンとなつこだけ』とかいろいろやったことない試みを色々としましたね」

5曲目の『seasoning』はまさにタップとピアノだけのナンバーですが、ライブでどう再現されるのかってあたりも気になりますね。

「あたしも気になるところですー!(笑) どうするんだろうなって思っています」

今回のアルバムはピアノの弾き語りが一曲だけなんですね。

「そうなんですよ。これは完成してみて私も意外でした(笑)。あれ?一曲しか無いんだ!?みたいな(笑) 」

できてみて気づいたこともあるってかんじで?

「そうなんですよ。それだらけでした今回は」

それでいてアルバム通して時間軸が、きれいに整っていますね。

「そうなんです。真夜中からやがて朝焼けに向かってくみたいな並びになるようにと、曲順でちょっと遊んでみたりしているのでそういうところにもこうして気づいていただけると、より面白い作品だなと思います」

アルバムを通して聞くと新たな発見のある一枚。全曲がそんな挑戦と工夫に溢れています。
そんなアルバムから一曲、日食さんに選んでいただいて改めて音を紐解いていただきましょう。

そのナンバーは「white frost」。
美しく壮大なこのナンバーは、打ち込みからストリングスへと劇的に変化する意欲的な一曲でもあります。

「この曲はですね、私の生まれた北の大地を考えた時に生まれてきた曲です。東京に住んで4年目になるんですけど、何もない土地生まれとしては東京はすごく情報量が多い街なので、そういうところをフッと離れて、例えば自分の生まれた土地や似たような場所に行ったりすると、青い空と白い雪しかない、情報量がないぶん自分の考えをじっくりと考えられる場所って絶対に残っていてほしいな、っていう思いがあるんですよ。 そういう願いを込めてこういう曲ができたというかんじです」

白、青、灰色...歌詞に出てくる色は限られていて、カラフルな都会とは対照的だったりしますよね。

「これもやっぱり、自分の生まれた土地で、まさに真冬に見える色はこれだけっていうのがあるので。街で暮らすようになると、冬夏関係なくいろんな色がとにかくめまぐるしく動いていて。それが目新しくもあり、でもちょっと自分の中での季節感がずれるところもあるみたいなところもあって。通年通して町にだけいるとやっぱり調子が悪くなるんですよ。
数年前ですか。真冬にすごくライブも作曲も調子が悪かったことがあって、なんだろうと思っていて、それで、自分の土地、岩手だったかわからないんですけど、真冬のこの歌詞のような青と白しかない土地にふっと降り立った瞬間に『今年ここに来てなかったからだ』って自分の中で腑に落ちたんですよ。 そこで数日過ごして戻ったら完全に状態が戻ったので、やっぱり自分の生まれた環境っていうのを定期的に思い出さないと、私は調子がちょっとずれてしまう人間なのだということを思いましたね。そういうところはやっぱり自分の中でちゃんと守ってあげたいなみたいなところはありますね」

そして、この独創的なメロディがとても印象的です。
メロディはどうやって思いつくんでしょう。

この曲に関しては完全に降りてきました。
曲によっては、曲の雰囲気でメロディーを先に作って歌詞とか、その逆とかもあるんですけど、この曲は本当に完全に歌詞に合うメロディーをそのまま一緒に呼んで頭の中で合流させて出した、みたいなかんじなので直感的に作った感じなんですよね。 多分、アルバムの中でも一番サラサラサラっとできた曲ですね」

なんと、驚きのお答え。
その降りてきた曲をどう音にしていくのか。前半の打ち込みから後半はストリングスも登場して使っている楽器も雰囲気も違いますよね。

ここが実は一番のこだわりで。前半の打ち込みは、そういう自分の戻りたい場所に戻りたいけど戻れない、そこで頑張ってる自分の心の動き。で 後半は弦楽でそこから一気に解放して戻るべき場所に戻った時の自分の感情の解放みたいな。抑圧と解放の対照的なアレンジをあえてくっつけたかったっていうのはあるので、だからこれは2回始まる曲かなって思います

通して聞いて初めて全貌が見えるということですね。
静謐な前半もよく耳を澄ますと背後にカタカタっとかうっすらいろんな音が入っていて、細部まで音の仕掛けがあることに気づきます。

「そうですね。このアレンジ部分はですね、Synkroさんという海外のアーティストさんにお願いしてるんですけど。(音のイメージは)日本語ですら伝えるのが難しいので、もう正しい意味を理解してもらうのは不可能だろうと思ったので、自分の生まれはこうです、こういうことを歌ってます、みたいなのだけポンと投げて、あとはこのピアノの旋律から分かってもらうしかないかないかなと。バクチのような感じだったんですけど。だけど、もともとこの方が作る打ち込みは機械ぽい打ち込みじゃなくて、土とか木とか風とか。そういう匂いのある オーガニックなちょっとアナログっぽい打ち込みをされる方で、そこは信じていたので、出来上がってきたのでもうバッチリってかんじで」

お互いの感性のシンクロを信じたって感じですか。

「そうですね。まさしくそんなかんじ」

終盤のティンパニーの音。すごくいいですね。

「このティンパニーは本当にこの最後にくるべき音だなと思って。弦楽だけでも本当に素晴らしいんですけど、弦楽の扉を開いた感じをさらにグイっともう一段階押し広げるのがこのティンパニーの役になっていますね」

この曲は本当に耳をそばだてて細部までじっくり聞いてほしいですね。

「そうなんですよ! これはイヤフォン、ヘッドフォン、素晴らしいオーディオ環境なんかで聞いていただくとしっかり伝わるかなと思いますね。360度音に囲まれるカーオーディオなんかでぜひ聞いていただきたいですね」

そんな日食なつこさんのライブは間もなく。


△Sing well△Tour

日程:2019年3月8日(金)
会場:広島 Live juke
時間:OPEN 18:30 / START 19:00

日程:2019年2月11日(月・祝)
会場:福岡 イムズホール
時間:OPEN 17:30 / START 18:00


福岡でのライブは今回バンドセットにグレードアップ。

「福岡ではじめてバンドセットでやることになりました。今までのピアノドラムでもいろいろやりきって来たんですけど、これまでで満足していただいていた方の予想をさらに上回る演出ができるかなと思ってますので、はじめての方はもちろん、何回か参戦して頂いた方もはじめてのつもりで来ていただいて大丈夫かなって思っております

日食なつこさんはイメージ通りスッと背が伸びて凛とした雰囲気をまとわせつつも、自分の音楽についてよどみ無く楽しそうに話してくれました。音楽同様、すっとこちらの気持ちをすくってグッとたぐりよせるような魅力にあふれています。

そんな日食さんにまだまだこのアルバムについてお話をしていただきたかったんですが、今回はここまで。

最後に日食なつこさんからみなさんにメッセージ。

「九州なかなか来れてなかったので、あさってのライブからなんとか頻繁にお邪魔できるように頑張れればなと思っておりますのでよろしくお願いします」

ありがとうございました。


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次週、2月16日はDEENをお迎えします。どうぞお楽しみに。


2月2日のゲストは、瀬尾一三さんでした。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストは瀬尾一三さん。 #瀬尾一三

日本を代表する音楽プロデューサーとして、時代を彩る数々の名曲を手掛けてこられました。

その名曲の数々を耳にすれば、あの曲も、この曲もと...多分、あなたも瀬尾さんが手がけた作品を意識せずともたくさん耳にしているはず。そして楽曲の数はもちろん、日本のフォークの黎明期から、歌謡曲、ニューミュージック、J-POP、アイドルとそのジャンルの広さにも本当に驚かされます。

70歳を越えてご覧の通りとってもダンディな瀬尾さん。こはまさんは毎週土曜日の「Re-folk」などでもおなじみのお相手。そんなこともあってか、今日はそんな音楽人生をユーモアたっぷりに、リラックスしてお話いただけました。

貴重なお話たくさん。


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瀬尾一三さんといえば、今月30日に、芸能活動50年のワークスをまとめた作品集の第2弾
『時代を創った名曲たち 2 ?瀬尾一三作品集 SUPER digest?』をリリースします。

2017年にリリースされた「時代を創った名曲たち 瀬尾一三作品集 SUPER digestの好評を受けての第2弾。

今回のアルバムには、中島みゆきさんを始め、徳永英明さん、工藤静香さん、松山千春さんなどなど...

70年代から2000年代までに瀬尾一三さんが編曲を手掛けた名曲たちが、16曲収録されています。

「それが1作めもね『瀬尾一三誕生70周年』ってついていてなんだ!って、で 今度は『芸能活動50周年』って、なんでも周年ってつければいいってもんかと思うんですけども(笑)」

こはまさんは今回もずらりと並んだ名曲の数々の中でも斉藤哲夫さんの「グッド・タイム・ミュージック」がお気に入りのよう。「最初のコーラスから...素敵な曲ですよねえ」

あのコーラスはシュガーベイブだということがね。山下(達郎)くんとか大貫(妙子)くんがやってくれたんですよ」

今となっては大物となった音楽仲間のみなさんも瀬尾さんのまわりにはいつもたくさんいて、必要なときには仲間に声を掛けるようにすごいメンバーが気軽に参加しつつ、アレンジもしていったのかなあ、なんて思いますが。

「色々とね。昔の頃では記憶も定かじゃないんだけど、まあそんなかんじかなと思います(笑)。昔はやっぱり皆さんとの交流も近かったので、また若かったしみんな仕事もそんなになかったので『今度こういうことあるんだけど手伝ってくれる?』とかっていう感じで皆さんでもらったことありますね。いろんな人に無理言って頼んでやったんだなあって。今だったら電話で『ねえ来てくんない』なんて頼めませんよね」

アレンジの第一人者である瀬尾さんですが、アレンジャーってどういうふうに作り上げていくんでしょうか。以前、こはまさんは瀬尾さんから『絵を思い描く』というお話を聞いていました。

「僕の場合、専門的な音楽教育を受けてないので、音符からっていうよりは映像とか絵とかっていうイメージをまず自分の中でデモテープを聴きながらそこから思い浮かべますね。それを、じゃあ映画音楽のように『このシーンでこういう風にしたほうがいい』とか、『この歌詞のとこはこうかな?』とかっていうふうに。ミュージシャンではないので音楽が先には出てこないんです、音符がね。だからこの場面にはどういう音楽がいいんだろうとかっていう感じで作っていきますね」

映像とか絵とかからインスパイアされてそちらから音楽を組み立てていくこともあるとか。瀬尾さんがアレンジすると、聞いている方の頭の中に豊かなイメージが湧いてくるのはそんなところに秘密があるのかも知れませんね。

具体的に一曲解説してもらいましょう。
今回のアルバムにも収録されている 中島みゆきさんの「ヘッドライト・テールライト」。

もともと『プロジェクトX』という番組のための楽曲ですが、『地上の星』というテーマ曲があってこの『ヘッドライトテールライト』がエンディングになっています。 まさに対をなす曲です。

「一応 頭の中に想像したのは、アメリカのフリーウェイで。都会の中ではなくて大自然の中を一直線に走ってるフリーウェイで。 そのフリーウェイに1人運転してる。それから平原に陽が沈んでいくところからスタートするんです。でずーっと走っていくと対向車線の車が走ってくる、上に星が出てくる。そういうことを考えながら作っていったんです。

イントロのところにグワーッとシンセが入ってくるんですけどそれは『広さ』を表そうと思ってて、それから、 だんだんと対向する車とかとのライトが流れ星のように過ぎ去っていくっていう、そういう感じをどうやって出そうかっていう風に考えて作ってます。 」

そしてこの曲は後奏がながーいんですよね。その長さにも人生を感じさせてくれますね。

「この先はなんだろう。山あり谷ありかもしれない、喜び悲しみあるかも知れない。他の車の行く先っていうのは分からない。それを俯瞰でで見るように、でそれがずぅっと地平線に消えていく。っていうかんじをどうしたら出せるかなと思いながら作ってたんです」

なるほど。

アレンジャーというのは原曲があってそれをどういう風に聞かせるか見せるかっていう、それこそ原作者とそれを、表舞台に出すための制作者、監督、そういうことなんでしょうか?

「結局ある意味、演出をしてるのかもしれませんね。
シンガーソングライターの方が曲を作って肉付けと言うか、それは世の中の人にどういう風な感じで聞かせるか、届けて行くという。だから演出、というか宅配便みたいなもんかもしれませんね(笑)。 僕らが入らないと品物っていうか製品にはならないのでね」

そう笑ってすこーし考えて一言。

「うん。でもいい曲っていうのは本当は弾き語りでもいいんですけどね。でも全曲弾き語りじゃつまんないでしょ(笑)」

ここでこはまさんがシモンズの「ひとつぶの涙」をリクエスト。

スタジオに可憐なシモンズのナンバーが流れる中、こんな裏話を披露してくれました。

「うーん。若かったですね。やっぱりまだ大学生だったと思うんですけど。十代じゃないと書けませんよこんな恥ずかしい歌詞(笑)。まあでも歌うシモンズが高校生だったので、自分でどこまで乙女チックになるか 必死で乙女チックに書きました(笑)」

すかさずこはまさんが歌詞の一節を読み上げます。

「こーれは、今だったら歌詞をぶん投げますね(爆笑)」

大照れ笑いの瀬尾さんですが、ちょっと楽しそうですね。

そして、このアルバムの中から瀬尾さんも自らの楽曲を紐解くべく一曲チョイス。

Hi-Fi Setの名曲「中央フリーウェイ」です。
もともと荒井由実(松任谷由実)さんの曲です。

「そうですね。リリースされて数カ月後ですか。新しいHi-Fi Setのアルバムに入れようってことで録音して、僕も困っちゃってね。 だってユーミンが録音してるのに、またハイ・ファイ・セットでどうしようかなって思って。だけどハイ・ファイ・セットの方はコーラスなので もうちょっと都会的な感じにしようかなって思って。

けどまぁ、元々中央高速の歌ですからね(笑)『中央フリーウェイ』とか言ってますけども、中央高速ですから(笑)。
だけどまあこれは僕の想像ですけども、これ松任谷正隆が荒井由実を家まで送って行く時の歌でしょう? 八王子まで助手席に乗ってる彼女の気持ちでしょこれ(笑)」

瀬尾さんじゃないと言えません!

「でね。どうやってこれをロマンチックに盛り上げるのかなーと思って。一応フリーウェイなんで、頭の中では日本ではないフリーウェイ。ちょっと都会的で ニューヨーク、うーん、どちらかというとロスアンジェルスのほうかな。そういうイメージをしながら、歌詞では色々ビール工場だとか競馬場とか言ってますけど、僕の中では全然違うところでイメージしつつ。
アメリカのもっと高いビルがあって、その中を網の目のように走っているフリーウェイ、ちょっとおしゃれな車に乗って恋人同士というイメージなんですけど。何度もやってるとどうしても松任谷とユーミンが頭に出てきちゃって『んんんーー』みたいな(笑)それでなるだけハリウッド俳優のイメージにして。それでサックスとかちょっと入れて」

間奏のサクスフォンがすごく都会的。

「ちょっとお洒落にしてみようかなっていうのを一生懸命努力しました。中央高速じゃない、中央高速じゃないと思いながら(笑)」

このコーラスワークってのはどうだったんですか?
山本潤子さんの声とコーラスをどう活かそうと考えられたんですか?

「そうですね。それはすごく考えたのと、僕は大学時代から山本潤子さんが大好きだったので、山本潤子さんの声をどうやって活かすかって言うね。それでやっぱり彼女はソフィスティケイトされた洗練された感じの声の持ち主なので だからそれはすごく思いました。やっぱり僕は、あの本当に、あの彼女がね本当に好きだったので(笑)声がね声。ま、ユーミンのも良いですけど、こっちもまた違う感じで聴いてくださると嬉しいですね」

なんだか溢れ出る愛情を注ぎ込んだ成果がこの作品なんですね。声にね。

瀬尾一三さんが手がける音世界は、映像的で絵画的。その秘密がちょっと解き明かすことができたような気がします。

今回のアルバム、そんな瀬尾さんの歴史が詰まった一枚。是非一度聞いてほしいですね。

そして、もひとつ。

中島みゆきさんのライブ・アルバム
『中島みゆき ライブ・アルバム-歌旅・縁会・一会-』が去年、12月にリリースされています。

特典DVD を含む全ての音源を、瀬尾一三さんの立ち会いの下、
ロサンゼルスの巨匠エンジニア、スティーブン・マーカッセンによるマスタリングで仕上げられています。

そして、今までにリリースされた3 枚のライブ・アルバム『歌旅』『縁会』『一会』に収録されなかった、30 曲の中から、珠玉の12 曲をセレクトしたアルバムです。

「DVD とブルーレイでは出てるんですけど、 CD としては出ていないので。映像だとなかなかテレビの前から離れられないじゃないですか。今回は CD なので車の中でも好きな時に聴けるって目的でCDにしてみました」

中島みゆきファンのこはまさん、何十年かぶりにコンサートで歌った『時代』とかもすごいですしね、『世情』もねー。と興奮冷めやらず。
このライブの演出も瀬尾さんが手がけています。

「ライブでしかやれないことってのもありますので、ライブはやっぱり楽しいですよね

そう笑う瀬尾さん。
今日は日本のポップス史を支え続けたプロフェッショナルとしての、数々のお話をお聞きしたのですが、随所に感じるのは音楽について語るときの無邪気な笑顔です。楽しそうに語り、ユーモアもたくさんでよく笑います。お話を聞いている方もついつい身を乗り出して目を輝かせてしまうような。やっぱりその根底には音楽への深い愛があればこそってことなんでしょうね。

これからも瀬尾一三さんが手がけていく音世界に楽しませてもらえそうです。

ありがとうございました!


「時代を創った名曲たち 2」?瀬尾一三作品集 SUPER digest? (外部リンク)

  

次週、2月9日は日食なつこさんをお迎えします。どうぞお楽しみに。


毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストは先週に引き続きマリンバ奏者のSINSKEさん。

昨年8月にデビュー15周年を迎えて、昨年12月にデビュー15周年記念アルバム「Prays Ave Maria」をリリース。

古今東西の「アヴェ・マリア」を集めた全曲「アヴェ・マリア」の意欲的な一枚。
あまりに多様な「アヴェ・マリア」の豊かで美しい世界と、それらをアレンジしてマリンバで表現するSINSKEさんの真髄も存分に味わえる一枚となりました。

今回もこのアルバムを中心に、たっぷりSINSKEさんの音世界を紐解いていただこうと思います。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
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せっかくですから、今回のドライビングミュージックもこのアルバムから一曲。

『アヴェ・マリア ~カッチーニによる~』です。

この曲、シューベルト、グノーと並んで「3大アヴェ・マリア」として永年親しまれてきたのですが、ルネッサンス時代末期の作曲家カッチーニを名乗りながら近年、実は旧ソ連のウラディーミル・ヴァヴィロフの手になるものと判明したといういわくつきの一曲。

ここも色々諸説ありますけれども。その当時はね、自分が作曲したのに他の人が作曲したんですよっていう話にしてしまって。その曲を神格化して有名にさせようという面白い試みですよね」

それにしても泣きのフレーズが美しい楽曲ですよね。とこはまさん。

「カッチーニが書いたにしては近代的なメロディすぎますよね(笑)。本当に美しいポップスのような和音進行があったり、そういった意味で今回の中でも一番ポップスに近いアレンジのスタイルを使いながら、クラシックと融合しているという形でアレンジしてみましたけれども。これドライブに向くんじゃないかなと思いながらアレンジしていましたね」

アルバムの中でもアクセントとなる一曲で、盟友、藤原道山さんの切り込むような尺八も印象的です。

「アヴェ・マリアって、どうしても全体的に少ししっとりしがちなところもありまして、やっぱり疾走感があるトラックっていうのは一つ欲しいなと思っていたんです。そこに風を切り裂くような道三さんの尺八のフレーズが入れば、何かこう風景が一気に噴き出すみたいな、そんなエネルギーがこのトラックに集まっていると思ってます」

そんな、多様な楽曲が収められている今回の「Prays Ave Maria」、楽しくて意欲的な一枚です。

幼少時からの教会での経験というものが自分の元々のルーツっていうものを構築しているんだなっていうところに、今回はすごく自分でも感じられたと言うか、自分の中にスッと落ちてきた感じがありまして。 15周年記念ということで、今回しかこのアヴェ・マリアを出すタイミングはないなと思って、作らせていただきました」

こはまさんはライナーノーツをあわせて読み「アヴェ・マリアって聖母マリアへの祈りの歌で、全ての人達にとって自分を産んた母への賛歌でもあるんだなっていうのを改めてすごく思ったんですね」と感想をひとこと。

「そうですね、作曲されてる方も時代を超えて、本当に幅の広い1500年代から今まで生きてらっしゃる方も書いてますけど。それぞれの作曲家の中にマリア様ってのがいて、それは母なのか信仰心なのか分かりませんが その母の存在を曲にしていくってことで、それぞれ違ったアヴェ・マリアがどんどん出来上がってく。そしてこれからもどんどん増えていく。それは世代を超えて時代を超えて曲が愛されてきた一つの理由でもあると思うんですよね

いろいろな時代や国を超えたアヴェ・マリアが収められていますが、「アヴェ・マリア デビュー15周年記念メドレー」収められています。ジョスカン・デ・プレやアルカデルトといったルネサンス時代の作曲家から、メンデルスゾーンのロマン派、そしてブルックナーと時代をどんどん新しくなるという趣向も楽しい一曲です。

音楽がだんだんわかりやすくなっていくという。最初のうちは混沌とした和声の移り変わりっていうものが近代化していくにつれて一つのメロディーが際立ってだんだんとフィーチャーされていくっていうところもがらタイムトリップをしているようで。そんな作品になったらいいなと思って今回メドレーを編集しましたね」

そして、このアルバムにはSINSKEさん自らが作曲した「アヴェ・マリア」その名も「Prays Ave Mari」も収められています。
今日はこの曲をじっくりと紐解いていただきましょう。

古今東西の名作を前に自分の「アヴェ・マリア」を書くにあたっては、やはりかなりのプレッシャーがあったそうです。

「今回作品を書くということを自分で決めてから、最初のうちはやっぱり歴代のアヴェマリアが迫ってくるんですよね。
いろいろ分析したりすると、お互いスタイルとしては関連性はほとんどないじゃないですか。モーツァルトはカノン形式で書かれてたりとか、聖歌の形式で書かれていたり、グレゴリオ聖歌の流れもあったりするので。そう考えると『アヴェ・マリア』っていうワードにとらわれすぎるとこれは書けなくなるなと思って、僕がこのアヴェ・マリアに対する『思い』ってものを曲にすればいいんだということで、この『Prays Ave Maria』というタイトルに落ち着いたわけなんです」

その思い。
語り始めるとまるでSINSKEさんの口から言葉が音楽のように溢れるようで、それはまるで楽曲をそのまま言語化したようでもありました。

「僕が元々留学をすると決めたのがベルギーのアントワープというところなんですけど、アントワープの大聖堂っていう聖堂がありまして。そのカテドラル、大聖堂は青空の中に白い塔の教会がガーンとそびえていてそこに大きな金色の文字盤が光っているんです。
そこに自分が最初に入っていた時に受けた感動、その感動によって僕はこのベルギーのアントワープっていう町に住みたいって思ったんですよね。

その場所は、『フランダースの犬』のあのキリスト降架でネロが跪いたところなんです。僕の中では自分のルーツである教会と、何か繋がったのかもしれないですが、それを理由に僕は留学先を決めてしまった、というほどのシンパシーを感じたんです。

この曲っていうのは僕はその時の茶色い重いドアをね、白い美しい外側からガって中に入っていく時に、ひんやりとしたちょっと土の香たいな匂いとともに美しいステンドグラスがふわっと見えてきて、その教会に一歩一歩歩みを進めているときの感覚 。そして聖母マリア像があって、あそこに座って僕がちっちゃい頃に何かお祈りをしているようなイメージを込めてこの曲を作曲いたしました」

すごく画が思い浮かぶんですね。最初ピアノがガーンガーンとなるのが大聖堂の鐘の音...

「そうです、鐘の音なんですね。そこが一番ポイントになっていて。
入口からだんだんこの中に向けて歩みを進めると、周りの美しさなどに感動しつつ、だんだん中に行くに従って『ああ、もっと前に行ってあれを見たい』っていうその思いっていうものが、テンポがだんだん上がっていったりするところにつながっているわけなんですけど。

曲がずっと進んでいくとですね、そのまま気持ちが盛り上がって自分の思いを祈りに捧げ、その後お祈りを一心に捧げている時にフッと周りがなんか白くなった瞬間、みたいなのがあって。そこで一気に全部の楽器の音が無くなって僕のソロになるんですけど、何か自分の気持ちがスッと軽くなっって周りが真っ白になる。実は僕そんな夢を見るんですよね。あの夢の中で自分がすごい真っ白な空間の中にいるような、その時の情景っていうものアレンジの中で取り入れてみたんです」

その感想はこはまさんの以下の言葉に集約されています。

「やっぱりその情景というのが目に浮かんできますね。行ったことないのにでもその話を聞き、そしてこの曲を聞くと教会が目の前に現れて、自分がドアを開いて歩みを進めていく。この物語の中ではSINSKEさんがそうやって歩みを進めることを曲に落とし込んだのだと思うのですが、でも聞く人一人一人がそうやって自分が主人公になって歩みを進められるなと思いました」

SINSKEさん、我が意を得たりと思わず顔をほころばせました。

「やっぱり楽器音楽っていうのは歌詞がないぶんだけ。それぞれ聞いているリスナーの方の立場に立って、私はこういう教会を見たっていうその思いをそこに乗せることができる。それは歌詞がない分、限定されてない世界だからだと思うんですよね。皆さんにとっての『Prays Ave Maria』をそれぞれ頭の中で構築してストーリーを作っていただけたらなと思いますね」

3月に福岡で行われるコンサートではこのアルバムを携えて広田圭美さん(ピアノ)、服部恵さん(マリンバ)そして藤原道山さんをスペシャルゲストに迎えての編成で行われる予定です。


SINSKEデビュー15周年記念マリンバコンサート「Prays AveMaria」

2019年 3月 14日(木)福岡シンフォニーホール
開場 18:30/開演 19:00


アクロス福岡シンフォニーホールという会場では、どんなコンサートになりそうでしょうか。

「壮大なコンサートホールなので、自分の中の想像力がさらに広がって教会堂の中で演奏しているような、先ほど話した教会堂が重なってくるんじゃないかなと思います。良いコンサートホールで叩くとマリンバのパイプの中で鳴った音が、上に行ってるよ!っていうのが矢印が見えるような感じがするんですよね。 それはシンフォニーホールでもきっと矢印が見えるんじゃないかなと思っていて、心待ちにしています」

今回はA席については学生さんは無料です(S席は1,500円)。

「僕はマリンバのいい音を聞いてマリンバをやりたい、と思った人間なので。僕はそれが21歳だったんですけど、もしもっと若い頃に聞いてたらもっと早く始められたかもしれないと思うと、是非皆さんに最高のコンサートホールでマリンバの音を聞いていただきたいと思います。」

2週に渡ってお送りしたSINSKEさんの音解。
いつも楽しいお話を聞かせてくれるSINSKEさんですが、今回はこのアルバムを通して自身の原点に関わるお話しもたくさん聞けたように思います。

ずーっと笑顔で柔らかな物腰の向こうには、音楽へのアツイ情熱がありました。

また次回の登場が楽しみです。
ありがとうございました。

  

SINSKE OFFICIAL WEB SITE (外部リンク)

次回2月2日は、瀬尾一三さんをお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。